受けた恩は倍返し！５業種の企業経営者兼美容師 IJKグループ代表 芝原俊輔のコトダマ
経営危機を支えた一言「まだやれることを全部やり切ってないでしょ」
2019年に店舗を今の場所に拡張移転し、プレッシャーに潰されそうになるくらいの巨額な初期費用と毎月の家賃を払うことになりました。それから1年もたたないうちに新型コロナの影響で緊急事態宣言が出て、経営的にかなりダメージをうけた時期があります。IJKには一都三県はもちろん、群馬や茨城、遠いところでは北海道からお客さまが毎日のようにきていたからです。
移動が制限されるようになり、お客さまが来られないため、売上がガクンと下がりました。それでも、みんなのお給料もあるし、家賃などもかかるし、出ていくお金は変わりません。美容室のほかに飲食店も経営しているのですが、そちらも当然影響を受けていました。
BULK HOMMEの社長で親友の野口くん（Founder and CEO 野口 卓也さん）に「マジで会社がヤバい。どうしよう」と話したら、「売上つくるなら自分だけ深夜までやればいいじゃん。夜の仕事の人から重宝されるかもしれないし。スタッフにやらせることはできないと思うけれど、自分ひとりならできるでしょ」と。確かにと思いましたし、野口くんの「まだやれることを全部やり切ってないでしょ」という言葉が刺さりました。
それから自分にできることはなんでもやりました。サロンに立つのはもちろん、経営しているバーで始めたデリバリーを自分も一緒にバイクで宅配していました。「芝原さんが雨の中バイクで届けてるの？！」とSNSに上げた動画がかなり驚かれ、その経営姿勢を見て来店してくれる新規のお客さまも多々いらっしゃいました。サロンのスタッフも手伝ってくれたので、宅配サービスを使わず、自社のバイク2台を使い6週間で1800食届けることができたんです。やれることを全てやると決めて、みんなで行動し続けて危機を乗り超えることができました。
なかには社長の僕から見ても「働きすぎだろ」って思うスタッフもいたんですが、「好きな環境で好きな仕事ができるから全然苦痛じゃないし、満足しています」と言ってくれたりして。こんな素敵なスタッフに恵まれた会社の社長をさせてもらっていることに感謝したし、もしこれから辛いことがたくさんあっても最後の最後まで大丈夫でいられると思っています。
お客さまからのうれしい言葉「芝原さんと会うと、モチベーションが上がります！」
パーソナルトレーニングジムを経営しているので、自分が太っていたら説得力がないと思い、パーソナルトレーナーの指導のもと、食事制限と筋トレをして半年で18kg体重を落としました。以前着ていた服はサイズが大きすぎるので、全部買い替えましたし、見た目も随分変わったのでお客さまに「誰？」みたいな反応をされることもあります。髪だけ変化しても美容って成立しないと僕は思っているので、自分がボディメイクに励んで、変化に驚く周囲の反応を楽しむことも大事だし、何より手本となる存在でありたいんですよね。
実は今ダイエット居酒屋も作っている最中なんです。僕自身ボディメイクもしたいけどお酒も食べることも大好きだし、綺麗になりたいけど飲みにも行きたいという人は沢山いるんじゃないかと思って。「お酒も食も美容も楽しもう。」をテーマにパーソナルトレーナと一緒に監修しています。実際、クラウドファンディングを立ち上げたところ５日で１００万を超える支援が集まっていて、確実に需要があるのだなと改めて確信しています。身をもって体験した体が変わる楽しさを、沢山のお客さまと共有できたらいいなと思っています。
お客さまは僕の変わりっぷりを見ているので、「芝原さんと会うとモチベーションが上がります。毎回来るたびにカッコよくなっているし、自分も頑張ろうって思うんです」と言ってくださったりするんですよ。なかには僕に自分の体重を報告しにくる人もいます。仲良いお客さまがそこで体重変化がないようなら、僕のほうから「あと何キロ痩せるまできちゃダメだよ」と冗談混じりで言ったりするんですよ。売上よりお客さまがかっこよくなることの方が大切ですから。さすがに女性には言わないですけれど。
これからも自分自身を磨きながら、美容師だけでなくダイエットも含めた全体的な美容のサポートをしていきたいと思っています。ちなみに今は青汁王子のダイエットの監修をしているので、気になる人は青汁王子のチャンネルや僕のSNSを覗いてみてください（笑）。
僕はまだまだ経営者6年目で会社としても社長としてもほんとに足りない所ばかりだし、もっともっと社員のためにもお客さまのためにもいい会社にして変化、成長していきたい。そのためにもまだまだ止まらず全力で走りたいと思います。
代表取締役
芝原 俊輔（しばはら しゅんすけ）
大阪府吹田市出身。高津理容美容専門学校卒業後、東京・表参道の有名ヘアサロンに入社。入社1年目にスタイリストデビューをし、最速でトップスタイリストに昇格。ロンドン・ヴィダルサスーンアカデミー留学やヘアショー、ファッションショーなどの経験を経て、25歳で独立。表参道に自身のヘアサロン「IJK OMOTESANDO」をオープン。2019年5月に拡張移転。飲食店やジム、サウナ付きスパなど様々な業種で経営手腕を振るう。
（文／外山 武史 撮影／菊池麻美）
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