採用面接「不合格」から逆転した「不屈の男」をさらに強くした言葉たち sand 島崎 譲さん
「あなたみたいな人にはついていけない。自分のことしか考えていない」
スタイリストデビューして2年くらいたったころ、自分の想像以上に結果が出て、評価されたこともあり「結果が全て」だと思い込んでいたことがありました。プロセスはどうあれ、結果さえ出せば人はついてくるものだと思い込んでいたんです。
当時の僕には2人が専属のアシスタントとしてついてくれていました。当然、結果を求めるし、結果を出せないなら出せるように変えてやるくらいの意気込みでいたんです。ところがあるとき
「あなたみたいな人にはついていけない。自分のことしか考えていない」
とアシスタントに泣きながら言われました。僕からしたら「いやいや、ちょっと待ってくれ」という感じ。一生懸命教えたつもりだし、自分なりに愛情を持って接していたからショックでした。自分が良かれと思ってやっていることであっても、それをどう受け止めるかは相手次第だと思い知らされましたね。
その一言がきっかけで、僕は自分のマインドも、仕事の進め方も、全部変えました。なぜなら、自分の直属の部下にすら思いを伝えられないような人間が、たくさんのスタッフを幸せにできるわけがないから。もちろん、結果も大事だけれど、結果を出し続けるためにはそこに至る過程も考えるべき。そして、一緒に働くメンバーをいい方向に導いていきたいし、モチベーション高く働ける環境をつくりたいと思いました。
この時期から「マネジメント」を強く意識できるようになり、教育にも力を入れてやるようになったのですが、20代中盤でこのことに気づくことができたのは大きかったです。その一言がなければ、未熟なまま我が道を進み、大人になっていたかもしれません。そこから磨き続けたマネジメント力や教育力は、Sandの成長の原動力になっています。