美容師のコトダマ “臨機応変を捨てた” “早さは優しさ” 豹柄美容師を動かした恩師の言葉たち air-GINZAスタイリスト 中村有佑さん

臨機応変に動くより、臨機応変に動く場面をつくらないことが大事

 

 

airに入る前、airの現取締役の木村直人に言われた一言にも影響を受けました。その当時、僕は別のサロンで働いていたのですが、ホットペッパーにUPしていたミセスのヘアスタイルが全国1位の人気で、新規のお客さまに毎月70人から80人くらい来ていただいていたんです。

 

売上を上げるために予約をパンパンに詰めて、スタッフに負担をかけていました。営業時間後や休日にも予約を入れていたんです。それでもお客さまが増えて、対応がどんどん難しくなっていました。お客さまのメニュー変更や追加もあるし、滞在時間が伸びることもあります。そんなとき僕はスタッフに「臨機応変に対応しろや」と言って無理を押し付けていたんですよね。これって結局、自分の思い通りにいかないことを、周りのせいにしていたんだと思います。

 

 

同じサロンで働く前から木村と親交があり、一緒に食事をさせていただくこともありましたその席で僕がサロンワークの不満を口にすると、木村は「俺は臨機応変っていう言葉を捨てた」と言ったんです。これはつまり、お客さまにムラが出てしまうような自分のキャパを超えた仕事や、サロン内で歪みが生まれるようなスタンスをやめ、「自分のヘアスタイル」を確立してお客さまに向き合うという意味。

 

そのことがあってから、僕も「臨機応変に」という言い訳をしないことを決めました。まずは1日の予約を見て、準備をします。お客さまの遅刻やメニュー変更・追加もある程度は考慮して、少々のイレギュラーにも対応できるような最善の流れをつくる。僕自身は臨機応変に動く場面があっても、アシスタントに臨機応変な動きを求めません。特に時間管理には厳しくなりましたし、アシスタントへの指示についてもイレギュラーが発生して、優先順位が変わったらすぐに切り替えるようにしました。僕とアシスタントではキャパが違うので、できなくて仕方がないこともあります。何かあったら全て僕がリカバリーするつもりでやっているんです。結果として仕事のスピードも上がりましたし、お客さまにもそれまで以上に喜んでいただけるようになりました。

 

>「早い仕事は優しさを生む」airグループ副社長の言葉

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング