はじめての新人教育だって怖くない! 人気5サロンの美容師に聞く、「先輩の心得」

早く入社しただけでは先輩になれない。後輩を導いてこそ先輩になれる|先輩歴6年目Cocoon齋藤陽平さんの先輩の心得

 

 

後輩への指導で心がけていることは?

 

「失敗はOK! でも自分と同じ失敗はさせない!」

 

自分と似たような失敗を後輩がしないよう、先回りして助言するよう心がけています。

 

後輩には、失敗を恐れずにチャレンジしてほしい、もし失敗したとしてその経験を次に生かしてほしいと考えています。なので、失敗はどんどんしてほしいです。しかし、自分も含めた先輩と同じ失敗を繰り返すのはもったいない。そこで、先回りししてアドバイスやサポートをし、より早く後輩が成長できるようにしています。

 

また、注意やアドバイスをしっぱなしにするのではなく、後輩がその学びを生かせているかまで気にかけ、フォローするようにしています。

 

僕自身、器用なタイプではなく、たくさんの失敗をしてきました。いろいろと悩んだこともあります。後輩には、僕自身の失敗の経験を生かしてなるべく早く気付き、わかってもらいたいんです。

 

Cocoonでは、“自分が経験したことを後輩に伝え、繋ぐ”をひとつのテーマとして、日々取り組んでいます。後輩が多くなるにしたがって、先輩から伝えてもらった教えを僕自身わかるまで考え、取り組み、それを後輩につなぐことの大切さを実感しています。

 

 

過去に後輩への指導で失敗したと思うことは?

 

「“自分が伝えたい!”という気持ちだけではダメ」

 

自分の「後輩に対して伝えたい!」という気持ちが先行してしまい、相手の機微を感じとらずに伝えてしまったがために、後輩に「ただ怒られた…」という気持ちしか残らないような感じ方、受け取り方をさせてしまったことです。

 

後輩がみんな自分と同じ熱量だとは限りません。僕がすごい! という話ではなく、人にはそれぞれ、表面ではわかりにくい気持ちの変化や悩みがあります。この出来事があってから、先輩から伝えてもらったことをなるべく自分で噛み砕き、後輩の機微を感じとることを大切にするようになり、「自分が伝えたい!」から「相手にわかってもらうには?」という考えに変わりました。相手の機微を感じとることは、お客さまに対しても一緒だと感じています。

 

 

後輩への指導で難しいと感じる部分は?

 

「新人との歳がどんどん離れていくからこそのコミュニケーションを」

 

後輩との年齢が、毎年どんどん離れていくことです。

 

歳が1つや2つ下の後輩までは距離感が近く、指示やアドバイスも「○○して!」といったフランクで直接的な言い方でも伝わります。しかし年齢が離れると距離感が生まれてしまい、直接的な言い方をすると「怒られてる?」「怖い」と受け取られる可能性があるので、指導にも工夫が必要になります。

 

そのためには、後輩に身近に感じてもらい相談などをしやすい信頼関係を気付くことが重要。たわいもない話から服装のことやメイクのこと、最近の悩みまで、距離感に合わせたコミュニケーションを大切にしています。

 

相手に興味を持ち、自分から歩みよることで、相手も自分に興味をもってくれるもの。そういったコミュニケーションがあるからこそ、自然と仕事における連携がとれると感じています。

 

 

後輩への指導を通して、自分自身が成長できたと思うところは?

 

「かっこいい背中を見せられる先輩でありたい」

 

「後輩に何かを言うかわりに、まずは自分が背中を見せないと!」という思いから、毎日起きてから寝るまで、自分を律することができるようになったこと。

 

もう一つは、指導する中で、自分の言葉が後輩にきちんと伝わり、後輩が目の前の壁を乗り越えたときや後輩の「行動」が変わったときに、自分自身の成長も感じました。また、自分が先輩から言われていた言葉の意味の深さも再確認できました。

 

 

はじめて後輩を迎える美容師へのアドバイス

 

「大変さを理解して仕事の楽しさを伝えよう!」

 

はじめて後輩ができたとき、僕はとてもうれしかったし、愛おしい存在だと感じました。ですが後輩たちは、上下関係や日々のサロンワーク、お金を頂くことの大変さなど、学生から社会人になる大変さを感じていると思います。また、僕自身もそうだったように、最初はブレやすく悩みやすい時期でもあります。

 

なので、まずは仕事の楽しさや続けた先にあるやりがいや楽しさを後輩に伝えられるといいと思います。辛さよりも楽しさを後輩に感じさせられるよう、僕自身も頑張ります!

 

 

<プロフィール>

Cocoon

Stylist/齋藤陽平(さいとう ようへい)

1994年生まれ。福島県出身。日本美容専門学校卒業後、2015年にCocoonに就社。心も身体もリフレッシュさせられるような、居心地のいい空間作りが得意。

Instagram:@youheisaito

 

 

<まとめ>

みなさんそれぞれで大切にしていることがありますが、共通しているのは「コミュニケーション」。それぞれの考えに基づいた、丁寧なコミュニケーションを心がけていました。

 

はじめての後輩指導はとても不安ですし、自信を持つこともなかなかできることではありません。しかし、後輩自身も不安で自信がないもの。だからこそ寄り添った指導ができるのかもしれません。

 

あなたも大切な後輩のため、そして自身の成長のために、今回の記事を参考に、後輩への指導を頑張ってくださいね!

 

(取材・文/QJナビDAILY編集部)

 

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