カットコンテストAREA CIRCUITで無双状態! FINAL受賞者6人中4人をGARTE勢が占めた理由

勝ちたければコンテストの審査員を攻略せよ

 

 

編集部:テーマに対して自分がどう解釈するかではなく、審査員や一般の人がどう捉えるか考えないとダメということですね。

 

アツトシ:過去のテーマをもとにつくった審査員の展示ウィッグを参考にすることができるので、それもヒントになります。

 

あとこれ、本当は言いたくないんですが、僕の場合は出場するコンテストが決まったら、審査員のInstagramを探して対策しています。しかも、僕らはそれをチームでやっていますから。練習中は、「コムデギャルソンを着て表参道を歩いている女性」とか適当にテーマをつくるんですけれど、それに対して「あの審査員さんに見せるんだったら、こうしたほうがいいんじゃない?」と反省会をする。それをチームでやっているから、結果が出ているんだと思います。

 

 

編集部:チームで勝ち取ったと言っても過言ではないですね!

 

アツトシ:本当に、その1点に尽きると思います。下の子たちが成長するためには指導者がいることが重要なんですけれど、僕に関しては下から学ばせてもらっているので。教えることが、一番の勉強になると思っているんですよね。教えるために言語化するから、理解が深まる。

 

もし、僕が一人で活動するフリーランス美容師だったら、教えることも、教わることもできなかった。ここ最近は、フリーランスに流れる人も多かったけれど、またチームで盛り上がるサロンも増えているじゃないですか。これはコンテストに限らない話ですが、チームであることの強さが見直されている気がしますね。

 

入賞しても「1位を取れなかったから悔しい」

 

 

編集部:あらためて入賞した顔ぶれがすごいですよね。みんな若い!

 

アツトシ:長谷川 桃子(ハセガワモモコ)が5年目、鈴木 竣士(スズキシュンジ)が3年目、米田 怜穏(ヨネダレオン)が1年目ですね。全員25歳以下です。

 

編集部:一人ずつ感想を聞かせてください。

 

鈴木:U-25 特別賞をいただきました。でも実質6位という結果だと僕は感じていて。めちゃくちゃ悔しいです。というのも、去年のオンラインコンテストではグランプリをいただいたので。年下に負ける経験もこれまでなかったので、悔しさをバネにしたいと思います。

 

自分の中での敗因は、攻めすぎたこと。テーマから少し逸脱してしまい、評価が伸びなかったのかもしれません。

 

アツトシ:1位を取れなかったから悔しいと言えるスタッフがいるところが、ウチの強みかなと、今の話を聞いていて思いました。

 

 

鈴木:誰に教わっているか、というのも大きいと思います。僕は審査員よりも、アツトシさんのほうが上手いと思っているので。レオン(米田怜穏 さん)なんて学生のころほとんどカットした経験がなかったと思うんですよ。

 

アツトシ:カットを教えたのも1カ月もないんじゃないかな。2週間とか3週間くらいかも。ウチはすごい子しかとらないっていうのもあるんですけれど。

 

鈴木:短期間でもできてしまうのは、ただ技術を教わるだけではなく、コンテストの攻略法を学べるからだと思っています。

 

勝因はテーマをロジカルに解釈し、デザインできたこと

 

 

米田:目の前でアツトシさんのカットを学べるし、何が良くて何がダメなのか、ロジカルに教えてもらえたから、クオリティを上げることができたんだと思います。

 

あとはやはりテーマとの向き合い方が大事で、僕はモデルさんのファッション、特に黒のMA-1 を切り口にデザインしていきました。「ポジティブでパワーがあるということは、前髪は広めで短めがいいかな、その上でジャケットにも合うGARTEスタイルをつくり、ブローで丸みをつくっていこう」という発想ですね。

 

正直、技術的には全然足りていなかったと思うんですけれど、今回のAREA CIRCUITでは、自分なりに足掻き切れたかなと思います。

 

 

長谷川:私は審査員特別賞をいただくことができ、素直に嬉しかったです。賞に入れると思っていませんでしたので。コンテスト中は周りの人たちがすごく上手に見えるんですよ。

 

終わってみて思うのは、「もっとこうすればよかったな」という反省点。でも、その反省点を改善すれば上に行けると思うので、次回はてっぺんを目指したいと思います!

 

編集部:グランプリのアツトシさん含め、今回は本当におめでとうございます!次回もぜひコンテストで暴れるGARTEを見せてください。

 

プロフィール

GARTE

代表/ATSUTOSHI(池田充聴)

北海道出身。国際文化理容美容専門学校国分寺校卒業後、都内有名店を経てロンドンに留学。2014年に22歳で「GARTE(旧・GRADUATE)」の代表として、東京・代官山にサロンをオープン。その後、24歳で表参道に拡大移転し、さらに2021年に再び代官山で拡大移転。サスーン ヘアカットコンテストで、全国入賞を4年連続(そのうち優勝2連覇)。国内はもとより海外でも、セミナー講師として活躍している。

 

スタイリスト/ SHUNJI(鈴木竣士)

茨城県出身。ベルエポック美容専門学校卒業後、GARTE入社。ベルエポック美容専門学校卒業。20歳にして新店舗の店長に抜擢された類稀なる才能の持ち主。在学中からGARTE塾に入塾し、1年次からカット月2回、全48回の工程を終了。成績優秀者のため新卒入社直後の店長抜擢となる。ベルエポック全国大会において500名以上の出場者の頂点に。PEEK-A-BOOフォトコンテスト敢闘賞。2021 AREA CIRCUIT 東京大会最年少グランプリ、審査員賞。2022 AREA CIRCUIT U-25特別賞。

 

スタイリスト/ 長谷川桃子

千葉県出身。たかの友梨美容専門学校卒業後、GARTE入社。高校時代からGARTEで働くことを目標にしていた。サスーン24週間dipromaコース卒業。現在美容師5年目のスタイリスト。AREA CIRCUIT 2022では神奈川大会を勝ち抜き、FINALでは審査員特別賞に輝いた。サロンワークでは、ブリーチ×縮毛矯正が得意。

 

アシスタント/米田怜穏

徳島県出身。徳島県立中央テクノスクール卒業後、GARTE入社。1年目にしてAREA CIRCUIT 2022の横浜大会を勝ち抜き、FINALでは審査員特別賞(最年少入賞)に輝いた。ホワイトセンターパート、ハイトーンカラー、韓国風ヘアが得意。

 

(文/外山武史 撮影/松林真幸)

 

   ライフマガジンの記事をもっと見る >>

   re-quest/QJ navi DAILY  Instagram

   re-quest/QJ YouTube

  旬の美容師求人はこちら

 

    1 2

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング