「人が育ち、辞めないブランドサロン」の礎となったコトダマ hair salon Gallica 中村 飛鳥さん
hair salon Gallicaの合言葉「思いやりと勇気」
僕は独立するまで勤めていたサロンで、思うように力を発揮できなかったこともあるし、自分と同じように力を発揮できないまま、サロンから離れていく人たちを見てきました。
その経験から思うのは、スタッフが力を発揮できるサロンをつくるためには、「仕組み」が大事だということ。人が頻繁に辞めることや、人が育たないのは、誰かに責任があるのではなく、「仕組み」がよくないからです。
だから僕は、自分の経験を踏まえて、独立後はスタッフがのびのび働き成長できる仕組みづくりに注力しました。サロンのオペレーション、教育、給与・休日など、できる限りのものを用意しました。先輩、後輩のコミュニケーションもできるだけストレスフリーにしています。
ただ、今思うのは思いやりが強すぎたんですよね。「もっとこうしてあげよう」と先回りして動きすぎて、スタッフの子たちが壁にぶつかり、乗り越える経験を奪ってしまった部分があるかなと。
アシスタントたちの成長を本気で願うなら、思いやりだけではなく勇気も必要。できていないことはバシッと言わないと本人のためにならないし、勇気を出して伝えることも思いやりです。
だから僕たちは「思いやりと勇気」をサロンの合言葉にしました。僕が美容専門学校の先生に言われたように、自分だけ良ければいいわけじゃない。勇気をもって言うべきことはちゃんと言わなければならないし、それをするには相手に対する思いやりが必要。そして、仕事に対しては厳しいプロフェッショナルであるべきです。だから、僕たちは「思いやりと勇気」を持って「優しいプロフェッショナル」の集団を目指しています。
- プロフィール
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Gallica
代表/中村 飛鳥(なかむら あすか)
長崎県出身。ハリウッドワールド専門学校卒業。都内有名サロンを2店舗経験後、2015年27歳でGallicaをオープン。お客さまの顔だちや髪質を最大限生かすヘアスタイルに定評があり、業界内外から注目を集める。サロンブランディングや人材教育にも力を入れ、現在都内7店舗、福岡1店舗。『HOT PEPPER Beauty』”GOLD Prize” 受賞。多くのセミナーの講師としても活躍。
(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)