業界一丸となって国難を乗り越えよう! 戦うヘアサロンの「エールの輪」vol.05-nanuk/whyte編-
「いつかやりたい」ではなく「まずやってみよう」
-この状況下で不安を感じている全国の美容師(美容学校生)さんに向けて、一言メッセージをお願いします。
自分の中でアイディアを100%の完成品レベルまでもっていって、ようやくアクションを開始する人が多いと思います。でも僕は、まず先にアウトプットして、アウトプットしたものに対する反応をみながらクオリティを上げていく方が時代に合っていると思うんですよね。そのくらいのスピード感が自分の中では普通。めちゃくちゃこだわってつくった新しいプロジェクトを世の中に出して、それが全然ダメだったとしたら、そこまでの準備期間はなんだったんだろうっていう話になってしまいます。
極端な話、50%の段階でアウトプットして、そこから直していくほうがいいんじゃないかなと。これは自分の夢や目標に関しても同じで、「いつかやりたい」ではなく「まずやってみよう」というスタンスのほうがいいと思います。情報を集めてあれこれシミュレーションするより、やってみて初めて気づくこともたくさんありますし。もちろん準備も大事ですが、時代の流れは速いので、スピードが遅いと損すると思いますよ。
美容業界の常識を覆すリクルート戦略と展開を打ち出す
-アフターコロナを見据えて今考えていることを教えてください。
何事もピンチはチャンスだと思っています。これまで新卒で採用して長く働いてもらうことを一番に考えていました。スタッフの退社を経験し、そこは反省もしましたが、予想外のことばかり起きる今の時代は、これまでの固定概念に捉われず、フレキシブルに考え方を進化させていったほうがいいのかなと。
そんな考えのもと、初めて中途採用を行い、畠山くんという魅力ある美容師に仲間として加入してもらいました。新型コロナウィルスの脅威は続いていますが、このピンチの時こそチームを大きく、強くするチャンスなんじゃないかと思っています。
業界的に引き抜きはタブー視されていますが、業界外では優秀な人を採用する「ヘッドハンティング」は自然なことです。美容師だってキャリアアップのために、新しい環境にチャレンジしていいと思います。それを「裏切り」と捉える人もいるかもしれないけれど、それも「一つのサロンで勤めるのがいい」という固定概念のせいじゃないかなと。僕としては優秀な人を見つけたら声をかけたいし、ウチよりいい環境を見つけてスタッフが転職するのもそれはそれでいいことなのかなと考えています。
個人的な動きとしては、パーソナルな交流ができるオンラインコミュニティを構想中です。自分が考えているサスティナブルとはどのようなことか。どんな基準で服や食べ物を選んでいるのかなどを伝えていきたいなと。できれば今年の秋から来年にかけてローンチして、いろいろな人とパーソナルにつながり、新しい化学反応を起こしたいですね。
プロフィール
whyte
代表/浜本忠勝(はまもと ただかつ)
神奈川県出身。国際文化理容美容専門学校渋谷校卒業後、都内のサロンに就職。2017年12月よりフリーランスで活動を開始。2018年8月に「whyte」をオープン。国際ヴィーガンビューティー協会を立ち上げ、同協会の会長も務める。
(文/外山 武史 )