業界一丸となって国難を乗り越えよう! 戦うヘアサロンの「エールの輪」vol.03-SHEA./SIX編-

 SIX からのエールの輪

 

今後の働き方を考えてして、3 月上旬から在宅勤務体制をいち早く整えた

 

 

・新型コロナウィルスにより予測不能な面を抱えながらのサロン運営をされていると思い ます。どのような考えのもと、営業を再開されましたか。

 

おそらく、SIX はこの界隈で一番早く営業制限に入りました。3 月の上旬から2週間の営業 は、金土日のみ。新型コロナウィルスの影響が長期化すると思っていたので、本格化する前に在宅勤務を経験し体制を整えておきたかったんです。

 

新型コロナウィルスとは関係なく、もともと僕は完全週給3日制のワークスタイルにも興味がありました。世の中の美容師さんの9割くらいは、美容師の仕事とは髪を切ったり、染めたりして料金をいただくことと考えていると思います。実際、それ以外のことで収益化す ることが難しいのも事実です。

 

僕としては美容師にはもっと可能性があると思っており、SIX では売上が増えて、サロン内でのランクが上がるほど休日が増える仕組みにしました。美容師として人気になればなるほど忙しくなるから、体力的にもしんどくなります。だからこそ、自己管理をしっかりして休養してもいいし、撮影をしてもいいし、ヘアメイクをしても、違うことへの挑戦をしても いいという“自由の環境”をつくることにしたのです。そうすることで、美容師だけではなく、 二足、三足の草鞋を履けるようになる。僕がまさにそのようなことを自ら先導しています。

 

サロンワークで常にお客様がいる日と、違う仕事をする日をつくることでメリハリができ るし、結果として生産性が上がるんですよ。

 

自粛期間に「再起動」「インストール」という課題に取り組む

 

 

・みなさんはどのような「STAY HOME」を過ごされましたか?

 

スタッフが自宅にいる間に取り組む課題を与えました。一つめのテーマは「再起動」です。

今過ごしている環境や、情報の仕入れ先、普段からどういうことに時間を使っているのか洗い出して、それを見直してもらうことにしたんです。それをもとに変えるべきことを明確にして、自分のルーティンを一度全て壊すきっかけにしてほしいと考えました。というのも、

お客さまと美容師を比較して、お客さまのほうが美容に関する知識が豊富なケースがある んじゃないかと感じることがあるからです。

 

もしも、美容師の情報源が Instagram や LINE ニュースだけだったとしたら、お客さまの 情報源を超えられません。お客さまに伝えられる情報の質を高めてほしいというのが「再起動」に込めた想いです。スタッフ一人一人がそれぞれ、情報の仕入れ先は正しいのか、質はどうなのか、情報源の整理をする時間になったと思います。

 

課題に取り組んだ成果をみるために、週1のミーティングで、各自「再起動」というテーマ で 10 分間のプレゼンをしてもらいました。プレゼンの仕方は自由。フリップで説明するスタッフがいれば、ipat などで発表するスタッフもいました。こうしたアウトプットの場をつくることで真剣に取り組むし、自分の頭で考えて、それを伝えるプレゼン力も身につくと考えたんです。

 

「再起動」の次は「インストール」をテーマにしました。新しい情報を仕入れて、それをプ レゼンしてもらうという内容です。ちょっと面白くしたかったので、美容・流行・経済の 3 つの題材からくじ引きして一つを選ぶというもの。選んだテーマについて 10 分間プレゼン してもらいました。女性スタッフが経済について調べてみるとか、男性スタッフは「メンズ美容」など美容のキーワードについて調べてみるとか、「腸活」について調べてみたり新しい発見をしながら知識が増える機会になったと思います。

 

アフターコロナを見据え育成カリキュラムを改訂

 

 

1年目の子たちには家でレッスンをしてもらいました。レッスンの責任者が課題を与えると いう流れです。ウィッグも必要だし、クランプも必要だし、オンラインでレッスンをするた めには三脚も必要だと思ったので、十分な量を購入して配っています。

 

新型コロナウィルスはいつ終息するかわかりません。そう考えたとき、街でモデルさんを見つけてサロンに来てもらうのは非現実的なのかなと。カットモデルさんにも来てもらえないことが増えると思います。 Instagram で募集することもできるけれど、どうなるのかわ からない状況が続くと思ったのでモデルさんがいなくてもスタイリストデビューできるカリキュラムをつくりました。マニュアルはトップスタイストたちにつくってもらっていま す。

 

個人的なところでは、1 月にオンラインサロンをつくりました。これはタイミングがよかっ たですね。オンラインサロンは「kubo さんのスナック」と「美容師予備校」の 2 つ。スナックでは美容の情報をシェアしながら楽しく交流することが目的で、予備校はどちらかというと思考やスキルアップが目的です。予備校では学生さんに向けてシャンプーを教えた りしています。ゆくゆくは SIX 以外で働く美容師さんも講師として参加していただきたいですね。

 

 

オンラインサロンをはじめたのは、SNS ではない場所で同じ意識の方々とのコンテンツが 欲しいと思ったからです。SNS は拡散力がありますが怪しい情報も多いし、広告などのノ イズも多いじゃないですか。その中で埋もれるのは嫌だし、僕のことを知っていて、お金を 払ってくださる方たちに本当に価値があるものを提供したいと思ったからです。

 

オンラインサロンを毎日更新しているのですが、美容に関する「情報を伝えるチャンスをいただいている」という感覚で取り組んでいます。その上で、メンバー同士の横のつながりが できたら嬉しいなと。みんなで学び、高めあう場にしたいですね。

 

>急速な環境変化はチャンスでしかない

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