業界一丸となって国難を乗り越えよう! 戦うヘアサロンの「エールの輪」vol.02-siki/LOREN編-

 LORENからのエールの輪

            

自粛期間にレッスン内容を全て動画にまとめた

 

 

・新型コロナウィルスにより予測不能な面を抱えながらのサロン運営をされていると思います。どのような考えのもと、営業を再開されましたか。

 

2月に社員旅行で台湾に行く予定があったのですが、新型コロナウィルスの影響で中止になり、「これは大変なことになるかもしれない」と思いました。そこから1年間の売上予測を最悪のシナリオで立てて融資獲得のために動き、3月中には1年間休業しても給料を100%保証できるようになったので、スタッフにも説明して4月12日から2週間の休業へ。緊急事態宣言が出たら社員のために休業すると決めていたんです。

 

まとまった時間を取れるのは、僕たちにとってプラスになると考えていました。まず取り組んだのは、全てのカリキュラムを動画化すること。基本的な技術を全て動画に落とし込んでYouTubeに非公開でアップし、スタッフが自宅でそれをみながらレッスンできるようにしました。1日3本くらい動画をつくっていたので、なかなか大変でしたけれど、動画コンテンツの威力は絶大。これまでは先輩がつきっきりで教えていましたが、レッスンの質はムラがあります。忙しかったり、イライラしていたりすると伝わることも伝わらない。でも、動画にすれば感情が入る余地がないですし、必要に応じて繰り返して見ることもできます。これは僕らにとってプラスでした。

 

営業再開してからは衛生管理を徹底しています。パーテーションを貼ったり、シートを貼ったり、体温を測ったり、消毒をしたり、できることはなんでもしています。この衛生管理の徹底が新しいスタンダードになると僕は予感しているので、医療従事者並みの衛生管理を今後も続けていきたいですね。

 

美容を通じて医療従事者を労いたいという想いもありました。感染のリスクを心配して美容室にいきづらいと感じていた医療従事者の方も少なくなかったようです。だからこそ僕たちは医療従事者のみなさんのために、ヘッドスパを無料でして差し上げました。反響が大きかったですし、多くの医療従事者のみなさんに感謝を伝えることができてうれしかったですね。

 

苦しい時期だからこそ、まずGIVEすることが大事

 

 

・みなさんはどのような「STAY HOME」を過ごされましたか?

 

先ほどもレッスン動画の話をしましたが、5G時代にはもっと動画が身近になると思っています。だから、オンラインスクールで動画コンテンツの勉強をしました。まとまった時間をとって勉強する機会が限られていたので非常に有意義でしたね。春夏、秋冬のスタイルも動画で発信したいし、採用に使うリクルート用の動画などもつくっていきたいと思います。

 

スタッフに対しては全額給与を保証しましたし、歩合も多めにしているので普段よりも手取りが多いケースもあったと思います。「休業しているのに、こんなにいただいていいんですか?」という声もありました。生活に不安がないように最善を尽くしたので、「アシスタントの教育やサロンの改善につながることを一緒に頑張って欲しい」と伝えました。僕は苦しいときこそ、自分からGIVEすることが大事だと思っています。そうすれば、みんな必ず与えたもの以上のものを返してくれるものです。

 

今の若い子たちって頭がいいから、いくら口だけでいいことを言っても動いてくれません。ちゃんと裏側の真実を伝えて、GIVEしていかないと「そんなの綺麗事でしょ」で終わってしまう。こういう非常時こそ、情報もお金も出し惜しみしない対応が大切だと思います。

 

・この状況下で不安を感じている全国の美容師(美容学校生)さんに向けて、一言メッセージをお願いします。

 

今回、自粛ムードの中でもきてくださったお客さまは40代、50代が大半でした。白髪染めをしたいなど、コンプレックスの解消につながるメニューが目立ちましたね。

 

僕が思うに、ヘアサロンの役目には、攻めと守りがあります。ハイライトカラーやパーマ、トリートメントは「攻め」で、白髪染めや矯正などは「守り」ではないでしょうか。コロナ自粛で苦しかったのは、おそらく攻め中心のサロン。これは今後の戦略を考える上でも重要なことなのかなと感じました。

 

また、今は個人にお客さまがつく時代です。お客さまの共感を集められる美容師が強い。そうなったとき、カットが上手いだけでは弱い。たとえば、ジャニーズが好きならジャニヲタを極めればいいと思うんです。アニメが好きならネットフリックスで見て、レビューをかけるレベルまで目を肥やせばいい。どんどん自分の好きなことに時間を使って、自分の存在意義を外側に発信してほしいです。

 

そして、その好きなことと結果をつなげるのがオーナーの役割だと思います。セルフブランディングという言葉が出てきて久しいですが、自分でブランディングできる人は稀で、東京で頑張っている一部の美容師さんだけだと思います。そうではない人が大半です。だからこそ僕は、結果が出るまでスタッフをサポートし、イラストが好きな子にはイラスト関係の仕事も振るなど、チャンスを与えていけたらと考えています。

 

>新しい時代に備えて、リスクを抑えた出店戦略を展開

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