業界一丸となって国難を乗り越えよう! 戦うヘアサロンの「エールの輪」vol.02-siki/LOREN編-
誰もが予想していなかった新型コロナウィルスの感染拡大。不安な毎日を送るなか、動き出したサロンでは、どのような取り組みをしているのかを伺うとともに、サロンからサロンへと「エールの輪」をつないでいただきます。サロンの枠を超えた「つながり」をテーマに掲げる本企画は、ご登場いただいたサロンさんからの推薦、バトン式で記事を展開しています。
今回はLECOの内田さんからのバトンを、siki代表の磯田さん、伊藤さんにつないでいただき、さらに名古屋のLOREN代表、菅谷さんへとつなぎます。それではさっそくご覧ください!
◆◆◆INDEX◆◆◆
>siki 「自粛期間をお客さまとのつながりを強める時間に変えた」
>LOREN 「自粛期間にレッスン内容を全て動画にまとめた」
■ sikiからのエールの輪
自粛期間をお客さまとのつながりを強める時間に変えた
・新型コロナウィルスにより予測不能な面を抱えながらのサロン運営をされていると思います。どのような考えのもと、営業を再開されましたか。
磯田:今だから話せますけど、緊急事態宣言が出たときは「オワタ…」と思いました(笑)。美容師はお客さまがきてくれないと仕事になりません。緊急事態宣言が解除されても、その後は不況がやってくるかもしれないし、全体的に所得も減るかもしれない。
しかもsikiは単価も安くないサロンなので、よりお客さまと信頼関係がなかったら、お客さまが離れていってしまうと思うんですよね。自主期間中はお客さまとのつながりをいかにして強めていくかを考えながらアクションしていました。
インスタライブでサロンのコロナ対策を紹介したり、あえてお客さま専用LINEをつくり直接やり取りできるツールを設けて、髪のお悩みについての相談に乗ったり…まずは自分たちがお客さまのためにできることを積極的にやろう、というスタンスです。
その結果、緊急事態宣言が解除されてから想定以上にお客さまが戻り、売上は新記録を達成するペースで増えています。大宮の新店「type」は4月にオープン。緊急事態宣言直後でこちらもどうなることかと思いましたが、今は順調で人手が足りていない状況です。もうずっと満席が続いています。
伊藤:今も感染対策には万全を尽くしています。空間除菌やサロン内でのソーシャルディスタンスの確保、パーテーションの設置やスタッフの検温など。4月5月は予約が3割くらいまで減った時期がありましたけれど少しずつ客足が戻ってきて、5月に関しても赤字にはなりませんでした。
磯田:完全に休業したのは2週間。融資獲得にも動いていたので、みんなの賛同を得て踏み切離ました。もちろん休業中の給与も保証しています。
STAY HOMEしながらセルフブランディングを強化
・みなさんはどのような「STAY HOME」を過ごされましたか?
磯田:各自にセルフブランディングをするための時間をつくってもらいました。まず初めに、みんなに「どうなりたいのか」「何が好きか」などを報告してもらい、それに対してそれぞれに課題を設定します。ひとり1人に課題を与えて、それと向き合ってもらう感じです。
でも1年目のアシスタント、野中和輝くんの場合、入ってすぐだったので何をどうしていいかわからなかったと思うんですよね。女の子はメイクやセルフスタイリングなど発信するネタがありますが、男性の場合は同じことをしても需要がありません。そこで、売れっ子の先輩、山下誠くんがどうして人気なのか分析して、それを発表させることにしました。人気の秘訣を、自分の中に落とし込んでもらうことが狙いです。
野中くんは、先輩の誠くんのホスピタリティの高さが人気の秘訣だと気付きました。実際、誠くんはめちゃくちゃ細かいところまで気を遣えるんですよ。自粛明けから野中くんもアシスタントとしてフロアに入ってもらっているわけですが、積極的にお客さまとコミュニケーションを取りにいく姿勢が見えて心強いです。入社してすぐに、人気スタイリストになるヒントを得られたことは彼にとって大きいんじゃないかなと思います。
伊藤:他のアシスタントの子もみんなInstagramの発信を頑張って、フォロワーが増えたのはもちろんなんですけれど、入客する場面が増えましたね。自粛期間にブランディングを見直した結果が少しずつ出てくるような気がします。
磯田:あとはスタイリストとアシスタントがペアになって、毎日インスタライブをしていました。
伊藤:バランスを見ながら僕がペアを決めたんです。テーマは細かく決めていませんが、美容のことについて発信してもらいました。毎回100名以上見てもらえたので、反響も上々だったかなと。閲覧総数としては1億2000万回(冗談)くらいでした。
磯田:日本の人口に匹敵する数字ですね、計算は雑なんですけれど(笑)。
とにかく、今は僕らも苦しい立場だけどそんな時こそお客さまに寄り添おうと。それでまずはお客さまを助けるアクションを起こそうと思いました。たとえば、顧客さま向けのInstagramのアカウントでは、まずお客さまのお悩みを集めて、それに応えることに注力。前髪をセルフカットしたいとか、ドライの仕方がわからないとか、パーマのスタイリングが決まらないとか、いろいろあるわけです。そこで解決策を提供して、お客さまの幸せにつながることを意識してやってきました。
伊藤:僕はYouTubeチャンネルを運営しているので、ステイホームプロジェクトと題して、動画を編集していました。みんなに動画を撮ってもらって、それを編集して毎日コツコツとアップしていました。
磯田:結果として、あの2週間は悪くない時間だったよね。