焦るな。20代は無我夢中でいい。 50代からが本当のスタートだ。 PEEK-A-BOO代表の川島文夫スペシャルインタビュー

いい美容師かどうかはお客さまが決める

 

voyger16_4

 

―ピーク・ア・ブーの場合は、何年くらいでデビューするのですか?

 

 早い子で3年くらいじゃないですか。でも、それはある程度ベーシックを習得した状態。お客様に入って、そこから3年はかかります。大体ね、ハタチやそこらでお客さんをやっている人は、友達かカットモデルしかやっていないんだから、それをスタイリストとは呼びません。

 美容師って、ヘアスタイルを通じて人を勇気づけたり、夢を与える仕事じゃないですか。やればやるほど、お客さんも増えるし、幅広い要望に応えられるようになる。そもそも、いい美容師かどうかは自分で決めるものじゃない。お客さまが決めることなんです。

 

―そのために努力が欠かせないと。

 

 たくさん練習しないと上手くならないですよ。一流になろうと思ったら、一流の努力が必要。極めて、こだわって、綺麗をつくる。ここはブレちゃいけない。そのためにお客さまは遠くから来てくださるわけですから。

 

―ピーク・ア・ブーに30年戦士の方も多いのは、一流の努力を継続しているからなのですね。

 

 技術に関してはそういうこと。でもウチの場合はそれだけじゃないんです。『Band of Brothers』っていうドラマを知っていますか?戦争のなか苦悩に耐えながら、信頼する仲間たちと戦っていくっていう。ピーク・ア・ブーも同じなんです。1年や2年じゃ仲間とは言えないですよ。10年、20年やってこそ本当の意味での仲間になる。

 それと、全部オープンにすることも大事ですね。たとえば、売上はいくらとか、経費がいくらとか。そうすれば、報酬に納得できるじゃないですか。

 若いうちは自分の年齢と同じだけ給料があればいいかもしれない。20歳は20万円、30歳は30万円という具合に。でもね、ピーク・ア・ブーの場合は、35歳になったら年齢の倍。週休2日で80万円とか100万円とか取ってくれないと、40代が見えてこないじゃないですか。みんな未来が見えるからここにいるんですよ。50歳過ぎて100万とれなかったらこんなところにいる必要ないよ。60歳になったら5倍だよ。

 

―それを川島さんが背中で見せているっていうことですよね?

 

 いや、僕は意外と給料安いんですけど(笑)。自転車しか乗っていませんしね。一応、僕は代表だから会社に還元しないといけないでしょ。

 

―しかも毎日サロンに立ち続けている。

 

 僕が一番忙しいんですよ。今日も明日も予約でパンパン。午前中までに大体10人、午後からあと10人。仕事をしないとカラダが疲れるの。

 

―1日20人もしたら普通クタクタにならないですか?

 

 午前中に10人やって、エンジンの回転がよくなって、カラダのキレが増すという感じですね。僕の仕事は新しいデザインをつくったり、お客さまをハッピーにすること。お客さまに喜んでもらって、なんぼの世界ですから。

 

―でもさすがに新規はとらないですよね?

 

 新規も取りますよ。さすがに今日の今日は無理ですけど、来週の土曜日の10時半に空いていたらどうぞっていう感じで。「This door is always open」ですから。で、僕が空いてないときは、仲間に回してあげる。もちろん、お客さまのご意向を聞いたうえでですけどね。

 

―川島さんのお客さまを任されたほうは緊張しますよね?

 

 だから上手くなるんですよ。いいレストランに行くと、緊張するじゃないですか。このお皿どこのものかなとか、いくらかかるのかなとか。それがあるから美味しいんですよ。

 

>50代で登山口に入り60代で頂上が見えてきた

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング