Voicyスペシャル対談 LECO代表 内田聡一郎×アートディレクター 大島慶一郎 (前編) 自己表現するのが照れ臭いので、作家ではなくアートディレクターを選んだ
「大島さんたちの仕事、ザ・クリエイションって感じで憧れていました」(内田)
内田:じゃあ宇宙カントリーの立ち上げのメンバーってことですか。装苑を見ていたので、野田凪さんのディレクションはすごいなと。パルコとかラフォーレとか広告ディレクションしてたじゃないですか。美容師で宇宙カントリーのファンっていう人いっぱいいましたよ。
僕も、ああいう仕事でヘアメイクやってみたいなとか思っていましたね。ザ・クリエイションっていうか、「これぞ、憧れる仕事」みたいな位置付けでした。
大島:色々と大変でしたが(笑)。今となっては大事な時間を過ごせたのかなと思っています。
内田:それで独立されて自分でやり始めたのは何年前ですか。
大島:それがもう15年前くらいです。
内田:アートディレクターの独立のタイミングってどんな感じなんですか。
大島:自分の場合はタイミングというか、早い段階で会社を離れてしまったので、やるしかない状況に追い込まれたというか。
内田:会社に属さずに自分でやりたいという気持ちが強かったんですかね。
大島:そういう感じですね。あとは組織が向いている、向いてないとか。自信があるかないかとかですね。
「大島さんの作品にはどこか毒っ気があります」(内田)
内田:最近のお仕事、どこまで出せるかわからないですが、元JUDY AND MARYのYUKIさんのジャケットディレクションなどやっていますよね。めっちゃ可愛かったです。
大島:ありがとうございます。
内田:お仕事としてはどんなジャンルが多いんですか。
大島:商業施設の広告や雑誌、ファッション系、あとは音楽かな。
内田:僕の知っている作品だと装苑とかでディレクションしていますよね。最近これ良かったなっていう仕事にはどんなものがありますか。
大島:装苑の仕事も良かったですね。それ以外だと、Amazon Fashion Week TOKYOの広告ですかね。
内田:渋谷とかにも広告出てしましたよ。駅ナカとかにも。広告や紙面などを手がけることが多いんですかね。
大島:その中のキービジュアルをつくってくれっていう依頼が多いですね。
内田:大島さんのホームページはぜひリスナーにもみてほしいですね。ちょっと毒っ気があるというか‥
大島:結局、素直じゃないんですよ。同じように素直じゃない人がオーダーしてくれているのかもしれないです。最近は斜めな性格も補正されてフラットになってきましたけれど。
「子どもの頃から、汚いラクガキとか生理的にダメなんですよ」(大島)
内田:マス向けのストレートなやつっていうよりかは、なんかこうちょっとおもしろいやつというか。手がこんでいたりとか。でも色使いとかキレイですよね。
大島:ありがとうございます。品があるようにしています。
内田:だから悪趣味ではないよね。
大島:子どもの頃とか、落書きとか汚い子がいるじゃないですか。鼻水たらしてるのとか。僕はああいうのが生理的にダメなんです。そういう性格とひねくれた部分がうまくせめぎ合って、ここまでやってこられたのかなと。
内田:創作系って、どんどん一般の人にはわかりづらいアウトサイダーになっちゃう人もいるじゃないですか。でも大島さんはマスにもわかるようなものをつくっている。ちょうどいいバランス感というか。僕がこんなこと言っていいのかわからないけれど、同じ匂いを感じるというか、親近感を持っています。
大島:同感です。かっこいいものはかっこいい人がつくればいいと思います。僕は照れ屋なのでそういうのをまともにつくるのは苦手なんですよ。
→後編に続く
- プロフィール
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LECO代表
内田聡一郎(うちだ そういちろう)
2003年より原宿のサロンでトップディレクターとしてサロンワークをはじめ、一般誌、業界誌、セミナー、ヘアショー、著名人のヘアメイク、商品開発など様々な分野で活躍。2018年 渋谷にLECOをオープン、2020年 セカンドブランドQUQUをオープン。代表として今後一層の活躍が期待されている。著書「自分の見つけ方」(2013年)、「内田流+αカット」(2017年)、「内田本」(2018年)を発売。また、シザーやシザーケースなどのオリジナルプロダクトも発売中。
2019年12月から若手美容師にエールを送るsoucutsラジオを始動。
【twitter 】@soucuts
【instagram】@soucuts
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アートディレクター
大島慶一郎
東京生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。幾つかのデザイン事務所を経て、株式会社サン・アド入社後、宇宙カントリーの立ち上げに参加。2006年よりフリーランスとして活動開始。LUMINEやヒカリエ等商業施設のビジュアルディレクションに携わる仕事を中心に、矢野顕子をはじめとするCDジャケットデザインや、文化出版局「装苑」のロゴタイプ、本誌面のデザインを手掛ける。写真を用いたグラフィックデザインを軸に、ユーモアのあるビジュアル表現を得意とし、活動の場は広告、ファッション、音楽、映画の宣伝美術など多岐にわたる。
【HP】
【instagram】@keiichirooshima