Voicyスペシャル対談 LECO代表 内田聡一郎×メディアアーティスト 市原えつこ (前編) 世の中を変える新技術と日本の風習を組み合わせたら世界が振り向いた
「変な祭りをつくりたくて仮想通貨奉納祭をやりました」(市原)
内田:仮想通貨を使ったアートもやっていましたけど、あれはどういうものなんですか。
市原:ここ数年、世界中の奇祭が好きで好きでしょうがなくて。普段人間が抑えている生命力とか欲望がバーンって出ているような気がして、自分もやりたいなと思って調べていたんです。
内田:祭りをつくりたいってのが先だったのね。
市原:そのときビットコインが流行り始めたタイミングだったんですけれど。昔は神様への捧げものって生贄やお供え物だったりしましたが、それが紙幣や貨幣になり、それではキャッシュレスの時代にはどうやって価値を提供したらいいのかなと思い。「ビットコインはどうか」と実験してみたくなり、「仮想通貨奉納祭」をつくりました。
ビットコインって一瞬で資金移動ができるので、世界中からお金を投げ銭できるんですよね。そこでサーバーを搭載した「サーバー神輿」という神輿をつくって、ビットコインが投げ込まれたら「ワッショイ・セレブレーション」という機能でめちゃくちゃ煽って神輿を担ぐ人たちのバイブスをあげるんです。中野の「川島商店街」で開催したんですが、2万人くらいの人が集まりました。普通、神輿をかつぐときは「せいや!せいや!」とかけ声をあげますが、仮想通貨奉納祭では「ペイや!ペイや!」のかけ声でやりました。めちゃ楽しかったです。
内田:あはは(笑)。なるほどね。仮想通貨と祭りがどうして繋がったの?
市原:仮想通貨って胡散臭いイメージもありますが、新しい時代のお金や社会のあり方を象徴しているなと思いまして。昔から続いている祭りと組み合わせたらどんな祭りができるだろうと興味がわいて実験しました。
内田:伝統×テクノロジーが市原節なのか。
市原:そうですね。掛け算が得意技だと思います。最近は「鬼の子孫」に会ったのをきっかけに、鬼に興味を持ちまして。
内田:鬼の子孫!?
市原:奈良県の奥大和というところに鬼の末裔が住んでいるんです。1000年以上続いている家系だそうで、会ってみると確かに見た目や雰囲気も、人間だけじゃない感じがあって、鬼の子孫だなって思うんです。
内田:それは鬼について調べていてたどり着いたの?
市原:いや、それはロケ仕事で「市原さん、鬼の子孫に会いませんか」とお誘いいただいたのがきっかけです。
内田:じゃあ、次は鬼の作品が出てくるかもしれないってことですね。面白いなぁ。
>後編に続く
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プロフィール
LECO代表
内田聡一郎(うちだ そういちろう)
2003年より原宿のサロンでトップディレクターとしてサロンワークをはじめ、一般誌、業界誌、セミナー、ヘアショー、著名人のヘアメイク、商品開発など様々な分野で活躍。2018年 渋谷にLECOをオープン、2020年 セカンドブランドQUQUをオープン。代表として今後一層の活躍が期待されている。著書「自分の見つけ方」(2013年)、「内田流+αカット」(2017年)、「内田本」(2018年)を発売。また、シザーやシザーケースなどのオリジナルプロダクトも発売中。
2019年12月から若手美容師にエールを送るsoucutsラジオを始動。
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プロフィール
市原えつこ(いちはらえつこ)
メディアアーティスト、1988年、愛知県生まれ。早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性と日本文化に対する独特のデザインから、国内外の新聞・テレビ・ラジオ・雑誌等、世界中の多様なメディアに取り上げられている。主な作品に、大根が艶かしく喘ぐデバイス《セクハラ・インターフェース》、虚構の美女と触れ合えるシステム《妄想と現実を代替するシステムSRxSI》、家庭用ロボットに死者の痕跡を宿らせ49日間共生できる《デジタルシャーマン・プロジェクト》等がある。