Voicyスペシャル対談 LECO代表 内田聡一郎×メディアアーティスト 市原えつこ (前編) 世の中を変える新技術と日本の風習を組み合わせたら世界が振り向いた

「最初の頃は作品を見てドン引き、心配されていましたね」(市原)

 

 

内田:友達や家族に作品を見せるわけでしょ。そのフィードバックが快感だったみたいなことはあるの。

 

市原:いや、どうだろう…最初は周囲にはドン引きされていましたね。親も今は応援してくれていますが、最初は心配されました。

 

内田:出世作は「デジタルシャーマン」なのかな。

 

市原:大根があえぐ「セクハラ・インターフェイス」で「頭おかしいやつが出てきた」とネットで話題になって、「デジタルシャーマン・プロジェクト」がようやくアーティストとして認められた作品だと思います。

 

内田:よくわからない意味不明なものがアートに昇華した瞬間というか、そのあたり自分ではどう考えている?

 

市原:アートに昇華できているのか自分としてもあやしい部分があるんですけど。例えば画家やイラストレーターさんだったらわかりやすい自分のスキルがあるじゃないですか。自分の場合はスキルでコレといった得意分野があんまりないんですよね。毎回、制作手法も全然違うから駄作になる可能性があってクオリティを安定させるのが厳しい。ただ、リサーチはすごく重要視しています。例えば「新しい弔いができないか」とか、論文を書いている感覚に近いかもしれないです。

 

内田:自分のアンテナに引っかかった気になることをアートに表現するっていう感じなの?

 

市原:まずは気になることを「知りたい、調べたい」という気持ちが先行するので、色々な専門家の人に話を聞いて、それを記事化して発信したりもしています。

 

内田:疑問から始まってそれを具現化するっていう感じなんだ。

 

市原:具現化したものを世の中に出してみて「こんなのどうですか?」と問いかける感じですね。メディアアートは普通の絵画とかとは違って実際に動作するものができるので、「こういう発明が生まれた」と実社会でニュースとして扱ってもらえるのが面白いです。炎上したりすることもありますが。

 

 

内田:そかそか、作品に対して色々な意見があるわけね。

 

市原:「倫理的にどうなのか」とバッシングされることもあるけど、すごくいいといってくれる人もいますし。反応は本当にさまざまですね。

 

内田:炎上したものもあったんだ。

 

市原:エロ系の作品は派手に炎上することがありますね。そのときはおさまるまで待つしかない。

 

>「変な祭りをつくりたくて仮想通貨奉納祭をやりました」(市原)

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