LECO代表 内田聡一郎×かつお食堂 かつおちゃん(前編) かつお愛が溢れすぎてOLから鰹節の産地を回遊する「鰹節伝道師」へ
「かつおちゃんの話おもしろいね! 話聞いて俺も勉強になってるもん」(内田)
内田:いきなりかつおちゃんのスイッチが入ったんだ。めちゃくちゃハマり症っていう訳ではなかったの?
かつお:ハマるものにはハマるけど、ハマるものを見つけるまでに時間がかかりますね。高校までは陸上にハマっていたんですけど、大学4年間は見つからなくて13個くらいアルバイトしました。習い事も色々やっていて、茶道、華道、あとポールダンスとか試したけれど、ハマるまでに至りませんでした。かつおにハマったときも「そのうちマグロとかになるんでしょ」と周りに思われていたみたいです。
内田:でもハマったらすぐに行動するタイプなんだ。
かつお:ワクワクすることはすぐに自分で確かめたいって思うタイプですね。
内田:それで静岡で生きているかつおと初対面したんだね。
かつお:見たのは冷凍されたかつおでしたけれど。でも昔ながらの塩漬けした鰹の保存食である、塩鰹をみせてもらったり、鰹節の作る工程を生で見せていただきました。
内田:その話を聞いてどう思ったの。
かつお:本当に愛する人に出会えたような感覚。
内田:あはは(笑)。いきなり沸点まで上がったんだ。
かつお:それから塩鰹を布団の中に入れて一緒に寝たりしていましたから。そんな状態だからみんな「大丈夫?どうしたの」みたいな。「何が?普通だけど」みたいな。
内田:静岡でそんなに衝撃を受けたの?
かつお:私が鰹の師匠のように慕っている職人さんが、かつお愛を語ってくれたんですよ。縄文時代から続くかつおの食文化の話から始まって、傷みやすい魚なので美味しく食べるためにその時代時代で工夫をしているんですよね。火を使い始めて燻製にしたりとか。江戸時代にやっと鰹節ができたんですよ。
内田:それはおもしろいね。だって俺すでにちょっと勉強になってるもん。で、かつおを抱いて寝るようになったと。
かつお:そうです。あとは削り器も抱えて。かつおと削り器にも名前をつけたりして。
内田:弟子入りみたいなことは考えなかったの?
かつお:弟子入りはしてないけど影響を受けていろんな産地に行きました。静岡の次は1番の生産地である鹿児島に行きました。枕崎と指宿、両地域へ足を運び、地域による鰹節の違いというより、作り手さん、1人1人によって香りや味わいも異なることを感じました。それぞれの作り手さんにこだわりや想いがあり奥が深いなと。
>「鰹節を削っているとき『あーこの子苦しんじゃったな』とわかる」(かつお)