Voicyスペシャル対談 LECO代表 内田聡一郎×かつお食堂 かつおちゃん(後編) 現場に行かなきゃ「かつおと生きる人の物語」まではわからない
「『かつお愛がすごい』といろんな人に取り上げてもらいました」(かつお)
内田:有名になったきっかけはなんだったの? 最初は口コミだったのかな。
かつお:かつお食堂って書いた看板を置いてあるだけで、間借りしていたバーのお姉さんの友達とかも含めて15人くらいきてくれてて、めちゃくちゃかつおについて話していたりしたら「かつお愛がすごい」という話になり、雑誌の方が取り上げてくれたりして、そこからトントンっていう感じです。
内田:そうか。やっぱり、インプットインプットインプット…ってやってきているから、アウトプットがあふれ出ているんだよね。
かつお:まだ全然アウトプットし切れないですけれどね。インプットはめちゃくちゃしてきているから、これをどう伝えていこうかっていうのが悩みどころです。
内田:なるほどね。じゃあ今はちょうどかつお第二章みたいな感じなのかな。
かつお:これまでは自分が伝えたいことを伝えるという意味で自分中心だったんですが、今はかつお食堂という場を通じて食べてくれる人が喜んでくれたり「鰹節って美味しいですね」って言ってもらえることがすごく嬉しくて。なので、「みんなの生活の中で鰹節を楽しんでもらうためにだしパックをつくってみよう」とかそういうところにきています。
内田:もはやかつおを背負っているよね。
かつお:前世がかつおじゃないかと思うくらいです。
内田:やっぱりビジネスとか後先のことを考えて小さくまとまっていなかったことが成功の一つのきっかけだったのかな。みんなに好きなことを言いまくっていたら「おもしろいね」となったと。
かつお:私が飲食店の常識を何も知らなかったからできている部分もあると思います。鰹節だけじゃ無理とか、お金がないからできないとか全然考えなかったですし。ある程度お金はかかるだろうとは思いましたけど、やりたいことだからなんとかするしかないと。
内田:大抵の人ってそこまでできないよ。これまで物事を続けるのが得意じゃなかったかつおちゃんがさ、すごい変化だよね。
かつお:私が鰹節の魅力として感じているのは、削ることによって人と人がつながるところです。若い人の削り方をみておばあちゃんが「こうやるんだよ」って教えてくれたりとか。鰹節をつくる人にはどんな人がいて、どんなストーリーがあるのかとか。あとは、子どもがもう無我夢中で食べてくれる姿を見るのがうれしい。この食文化を伝えていくことが、未来の日本にとって大事なことだと思うから、使命を感じています。
内田:なるほどね。活動を通じてかつおへの思いも深まっていったんだね。