LECO代表 内田聡一郎×イラストレーター/アーティスト Rooo Lou(前編) 成功の秘訣は「職人的なストイック」さと「絶妙なミーハーさ」のバランス
「ルーさんのイラストを見たとき、これは絶対に売れる人だなと思った」(内田)
内田:俺もルーさんにイラストを描いてもらったとき、この人の世界観がめっちゃ好きだなって思ったし、だからアイコンにもしたんだよね。「これは絶対に売れる人だな」みたいな。多分、Instagramを通じて知り合ったときはフォロワー1万人もいなかったよね。
ルー:多分、数千人くらいですね。今は2万人くらいですね。
内田:駆け出しのころに出会えてよかったよ。
ルー:見つけてもらった感じですね。本当に。あれがきっかけで美容師さんの間で認知度が上がったというか。地方で展示すると美容師さんがきてくれることが多いんですよ。
内田:わかるなぁ。美容師との親和性はすごく高い気がする。音楽に例えるとシティーポップのような、独特なポップさとシュールさがあるというか。美容師が好きなゾーンだと思う。
ルー:髪型とか全体的にざっくり描いているので、あんまり受け入れられないかなって思っていたんですけれど。
内田:今はさ、イラストレーションの世界ではミニマルなアプローチが結構出てきているじゃない? その中でも、ルーさんは色使いが確立しているというか。あとはヘアスタイルのバリエーションの多さもいい。バリエーションを出せているイラストレーターさんってそんなに多くないんじゃないかな。多分、ルーさんがファッショナブルだからこそ描けているイラストだと思う。
ルー:いやいやそんなことないですよ。
内田:実際に会ってみて、おしゃれな人だなと思ったし、アンテナの感度が高いからこういう作品が生み出されるんだろうなって思いました。
ルー:イラストを描くときは、自分がいいなと思った髪型とか、服装しか描かないようにしているんです。
内田:やっぱそうだよね。
ルー:企業からの依頼で、髪型を変えてほしいと言われても、「こっちのほうがいいんじゃないですか」と提案することも結構ありますね。
内田:自分の線引きで決めてるってことね。わかる。お互いが持ち味を出しあって、ハッピーな関係でできるのが理想だよね。でも、ミニマルなイラストって類似しやすいわけじゃないですか。最小限でやっているわけだから。要素をプラスするほうが表現を差別化しやすいのかもしれないけど。
ルー:足して足して複雑な絵を描けるわけでもないし、描いても楽しくないんですよね。だから、引いて引いて今のカタチになっています。淡い感じの色を使うのも、やっぱり自分が好きだからなんですよ。
内田:作風も少しずつ変わっていっているの?
ルー:はい。例えば、最近は全身をあんまり描かなくなったし、そうやって微妙な変化を入れつつ、世の中の反応も少しは見つつ、自分のやりたい方向に落とし込むっていうのは日々やっています。
内田:肌感で次はこっちだな、とか。
ルー:あんまり狙いすぎると変な方向に行くので。トレンドを追いかけているとバレますし。
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