LECO代表 内田聡一郎×イラストレーター/アーティスト Rooo Lou(前編) 成功の秘訣は「職人的なストイック」さと「絶妙なミーハーさ」のバランス
「Instagramで発信しているうちに、いつの間にか仕事になった」(ルー)
内田:仕事しながらイラストは描いてたの?
ルー:4、5年経験を積んで、東京でデザインの仕事をやりたいと思うようになったんです。イラストを描き出したのはそれからですね。
内田:じゃあ、かなりスタートは遅いね。ジョブチェンジに勇気はいらなかった?
ルー:デザイナー時代に色や線の使い方は学んでいたから、わりとすんなりと。
内田:なるほどね。デザインという軸があって、ピボットしたような感じかな。
ルー:もともとイラストレーターになりたいと思って描いたわけじゃないんですよ。友達に見せるだけも満足だった。でも、Instagramで発信していくうちに、知らない人に見てもらえる機会が増えて、いつの間にか「仕事としてお願いします」という依頼に発展していったんですよね。
内田:そっか。じゃあ、趣味で始めていつの間にか仕事になっていったと。僕のイラストを描いてくれたのもそのころかな?
ルー:内田さんの写真を何かで見たときに、キャップとピンクのパーカーがすごく印象的だったんです。名前でタグ付けしても見てもらえないだろうなと思っていたんですが、すぐに内田さんがDMで反応してくださったのは嬉しかったですね。
内田:あれから2年か、3年くらいたったのかな。あれよあれよという感じでイラストレーターとして確立した感じだね。でもさ、30歳くらいになると本業に力入れて、イラストを少し我慢しようとか、そういう感じになりがちだと思うんだけど。
ルー:僕は正社員のデザイナーとしてご飯を食べることができていたので、イラストは仕事にするつもりなかったんですよ。思いのほかイラストが盛り上がってきたっていうのが実際のところです。
内田:独立してやるのは怖くなかった?
ルー:イラストレーターとして独立するのは難しいっていうのはわかっていましたけど…ビビる部分はありつつも、「やってみたら面白そうだな」くらいの感じで会社も辞めて、今はなんとかなっている感じですね。
内田:なんとかなっているっていうけど、ここ数年の仕事はすごいよね。最近の仕事だとどんなのがあるの?
ルー:JRさんと東京メトロさんが展開しているポスターで、これはCMにもなっています。
内田:天下のJRですよ。俺も広告見ました。
ルー:あとは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのツアーグッズ。
内田:そうだね、アジカンの仕事もしていたよね。
ルー:昔から聴いていたメジャーなアーティストと一緒にお仕事ができるのはすごく嬉しかったです。
内田:そういうやりたい仕事が入ってくるように自分からアプローチしていたんですか。
ルー:どちらかというと、自分に合わない仕事に寄ってしまわないように発信の仕方を意識していた感じですね。イラストを見てくれる人たちに向けて、どう発信するか、楽しみながらやっています。
内田:イラストを軸にしているけど、自分の世界観を戦略的に考えて発信してるってことだね。
ルー:ですね。あとは「Rooo Lou」という人間をプロデュースしている感覚でやるとスムーズにいくことが多いんですよね。自分自身のこととして考えちゃうと感情が揺れて動きづらかったりする。「Rooo Lou」をプロデュースしている感覚のほうが、客観的に判断しやすいです。
内田:クライアントからの依頼はInstagramからくるの?
ルー:そうですね。あとはホームページに実績を載せているんですけど、そこから連絡をいただくことも。でも担当者の方にInstagramを見ましたよって言われることが多いですね。
内田:インスタドリームだね。
ルー:Instagramをやっていなかったら今の状況になっていなかったと思います。
>「ルーさんのイラストを見たとき、これは絶対に売れる人だなと思った」(内田)