Voicyスペシャル対談 LECO代表 内田聡一郎×Hair & Headpiece artist 光崎邦生(前編) LONDON、NY、TOKYO…三都市での挑戦と挫折が稀代のアーティストを育てた
「最近は「切らない」っていう選択も選べるようになった」(内田)
内田:上がってくるものにもドキドキしないしね。そういうとき、俺はこれまでゼロベースで覆すことができなかった。でも最近は、「もう1回シャンプーします」みたいな感じでつくり直せるようになったの。
光崎:全部つくり直すの?
内田:そう。全部やり直す。あと、昔は撮影のときにスタイリング剤を必ずつけるものだと思いこんでいたけど、何にもつけないでそのままテストシュートすることも。それでよければ「このまま行きましょう!」って進めたり。いろいろ撮るけど、最初のショットが一番いいじゃんみたいなことも結構ある。何ていうか、「引きの美学」みたいなものを理解できるようになった。
光崎:僕も昔は大人数の現場で人の目を気にしてつくっていたけれど、最近は納得できるゴールが見えないときは、一旦止めることにしてる。編み込みが途中でも、違うなって思ったら止めて全部リセットする。モデルさんに謝って、5分席を外したりして。で、そこからつくることによってより良いクリエーションができるようになる。ある程度経験を積んでくると、真剣にクリエーションする余裕が生まれるからなのかな。
内田:経験を積んで真剣にクリエーションに向き合えるのは確かにそうだと思う。美的感覚の幅が広がったことも感じていて、例えば昔は何か突出したものを生み出していく方向性だったんだけど、最近は「切らない」っていう選択もできるようになった。実際、カットしないで帰るお客さんもいるのよ。「今日はトリートメントだけにしましょう」って伝えて。その人が何を求めているのか考えた上で、切らないことを選択するのもプロだなと。こういうのってお互いに年齢を重ねたことによって辿り着いた境地と言えるのかな。
→後編に続く
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プロフィール
LECO代表 内田聡一郎(うちだ そういちろう)
2003年より原宿のサロンでトップディレクターとしてサロンワークをはじめ、一般誌、業界誌、セミナー、ヘアショー、著名人のヘアメイク、商品開発など様々な分野で活躍。
2018年 渋谷にLECOをオープン、2020年 セカンドブランドQUQUをオープン。代表として今後一層の活躍が期待されている。著書「自分の見つけ方」(2013年)、「内田流+αカット」(2017年)、「内田本」(2018年)を発売。また、シザーやシザーケースなどのオリジナルプロダクトも発売中。
2019年12月から若手美容師にエールを送るsoucutsラジオを始動。
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プロフィール
光崎邦生
KUNIO KOHZAKI/Hair & Headpiece artist
Hair salon S. 勤務
Hair stylist TETSUに師事
2006-2010 LONDON
2012-2015 NEW YORK SEE Management所属
2016-TOKYO W management 所属
国内外の広告、ファッション誌、コレクション、ミュージシャン、タレントなどのヘアを手掛ける。
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