LECO代表 内田聡一郎×Hair & Headpiece artist 光崎邦生(後編) 今、君たちが憧れている世界は、君たちが輝く未来にはもう存在しない ーVoicyスペシャル対談 ー
「俺はよく「モデルを殺しているよね」って言われる」(内田)
内田:ヘアメイクさんのヘアメイクと、美容師がやるヘアメイクって明らかに違うなと思ってて。美容師のヘアメイクは2Dの表現に近いんだろうね。その点、ヘアメイクさんは現場で鍛えられて、3Dでどこを切り取ってもいいヘアをつくるんだろうなと思った。だから俺、ヘアメイクとかめちゃくちゃ向いてないんだよね。2Dで撮ることを前提のヘアスタイルにするから。俺なんて5度くらいの角度にこだわっているから「動かないでモデルさん」なんていっちゃうことがある。よく言われるのが「モデルを殺しているよね」みたいな(笑)。それ、でも自分でもわかるなと思っていて。
光崎:僕もSOUちゃんのInstagram見ているけど、アシンメトリーのヘアとかあるじゃん。あれは360度見られてもいいように切っているの?
内田:いや、あれはここで撮ると決めて切ってる。
光崎:モデルさんの顔を見て、自分でピンときた角度で切るんだ。
内田:そう。テストシュートでいろんな角度に振って撮って「ここでしょ」みたいなところを探る。フォトグラファーさんと擦り合わせて、「やっぱりこっちっすね」みたいな。で、「1回入ります」って入ってその場で切ったりとか。
光崎:それはでも「見えてる」ってことでもあるよね。
内田:そうだね、でも僕は8割くらいつくって、2割くらい現場で調整する感じが多いけど、邦生くんの場合は5割くらい現場って感じだよね。
光崎:そう。だから最近はあんまりつくり込みすぎないようにしている。
内田:つくりこんでいるものも実は現場で調整しているってことだよね。
光崎:プロップ(装飾)を持っていって現場でつけるだけにしていると、現場でイレギュラーに対応できないことが多くて。撮影ってハプニングの連続なので。
内田:そうだよね。
光崎:無駄な心配やストレスを感じたくないから、最近は6割、7割くらいものをつくって現場であわせていくようにしているかな。昔だったら今日はこういうものをつくろうって考えながら行くんだけど、最近は何も考えずに行くこともある。
内田:即興でできるだけの幅ができたってことだよね。
>「今の若い世代ってコピーとオマージュの差がすごく曖昧だと思ってる」(光崎)