内田聡一郎のsoucutsラジオ vol.9 「好きな事がなかなか見つからない」へのアンサー
東京渋谷の美容室LECOのオーナー、内田聡一郎さんが若手美容師や美容学校生に向けて発信するsoucutsラジオ。サロンワーク、クリエティブ、経営、教育、ファッション、DJとマルチに活躍し、さまざまなことに出会ってきた内田さんだからこそのリアルでハッとさせられるトークが展開されています。若手美容師、美容学生をはじめ、ベテランスタイリストやオーナーなど、どのフェーズの人にも、きっと「気づき」があるコンテンツです。第9回のテーマは「好きな事がなかなか見つからない」への回答。夢中になれることが見つかっていないあなたに向けてのメッセージです!
前回のまでのおさらい「美容師の仕事は好きだけど稼げない」
好きなことで稼げる人と、好きなことで稼げない人の差が広がってきているという話をしたんですが、「内田さん、そもそも好きなことが見つからないんです」というコメントをたくさんいただきました。そこで今回は、どうやって「好き」を見つければいいかというテーマでちょっとお話ししてみようと思います。
以前の放送で、報酬と仕事のマトリックスという話をしました。「①稼げるしやりたいこと」「②稼げないけどやりたいこと」「③稼げるけどやりたくないこと」「④稼げないしやりたくないこと」という4つに仕事はわかれるよねという内容です。
みなさんが当たり前に目指しているのが「稼げるしやりたいこと」だと思うんですね。美容師でいったら、好きなことは「美容師」だけどなかなか稼げていない。つまり、②の「稼げないけどやりたいこと」が多いんじゃないかという話でしたね。
でも「③稼げるけどやりたくないこと」をやっている人とか、「④稼げないしやりたくないこと」をやっている人も、この世の中にはたくさんいるんじゃないかなと思います。
美容師さんや美容学生さんなんかも、自分の好きなサロンが見つからないとか、そもそも美容師が好きじゃないかもとか、そういう人ももしかしたらいるかもしれません。
僕が「音楽が好き」と即答できるようになるまで
僕も例外なく、10代のころは好きなことが見つかりませんでした。そんな自分がどうして好きを見つけたのかをお話しします。
僕はですね、音楽が好きなんですよ。「趣味はなんですか」とか自分のアイデンティティの話をしたときに、「音楽が好きです」ってよくいうんですね。
なぜ「音楽が好き」と言えるようになったのか。僕の子ども時代は、テレビが全盛期だったんですよね。僕もテレビ大好きっ子だったんです。
好きなテレビの中でも、音楽番組をよく見ていたんですよ。Mステしかり、いろんな歌番組をやっていたんですね。
その当時テレビに出ていたのがX JAPANとか、LUNA SEAとか、黒夢とか、GLAYとか、L’Arc〜en〜Cielとか。多分同世代の人は結構知っていると思うんですが。
いわゆるV系バンドのサウンドが、テレビに出てくる回数も多かったのでなんとなくそういう音楽を聴くようになったんですよね。それでも段々とね、どういうバンドが好きで、どういうバンドが好きじゃないっていう線引きができてくるんですよ。
僕はそのときなんとなく、速くて激しいギターサウンドを奏でるバンドが好きになったんですよ。ここで僕の「音楽が好き」というスイッチが入るわけですよね。
ピザ屋のバイト先で、音楽の師匠を見つける
当時僕はピザ屋でアルバイトしていたんですが、そこの先輩がHi-STANDARDなどのメロコアが好きで、いろいろと勧められたんです。で、めちゃくちゃハイスタにハマったんですよね。
そこからさらに好きを掘って、ディスクユニオンというレコード屋に通うようになりました。店員のお兄さんからどんどん音楽を勧められるんですよ。「これが好きなら、これも聞いておいたほうがいいよ」と。
僕はハイスタから入って、横浜出身なので地元のSTOMPIN’ BIRDとかFULLSCRATCHという当時イケイケなバンドが好きになって。さらにハイスタとも親交があったNOFXっていうバンドがいるんですけど、そのメンバーであるファット・マイクがつくったレーベルのバンドが好きになったりしました。LagwagonとかThe Atarisとか。どんどん知識を詰め込んで、自分なりに考察をしていきました。
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