内田聡一郎のsoucutsラジオ vol. 19センスが良いってなんだ
カッコいい人たちをコピーしよう!
2つめは、「ベンチーマークする人をつくる」。「目標にする人をつくる」っていうことですね。僕は10代の頃、2、3年上のかっこいいなと思う先輩をベンチマークしてたんですよね。90年代だったので、その当時のカリスマであるNIGOだったりとか、藤原ヒロシだったりとか、当時原宿を騒がせていたファッションリーダー、オピニオンリーダーみたいな人を意識して、その人が身につけているにつけてるモノや、その人が聞く音楽だったりとか、その人の考え方を意識してやっていました。
そういう人たちのコピーすることで、どんどん感度が上がっていく実感もありましたね。なので、ベンチマークする人をつくることも、すごくいいことなのかなと思いました。芸能人でもいいし、すぐ近くの先輩でもいいですが、まずはコピーしてみてください。
最後の3つめは「体験できる場所に足を運ぶこと」。出版物を読んだり、誰かを意識することは大事なんだけれど、最終的にアウトプットするためには「体験」が不可欠だからです。僕は、なるべくセンスを体験できる場所に足を運んでいました。
音楽が好きだったので、20歳になりたての頃からすぐクラブに行きました。そこにはいろんなカルチャーや、バックボーンを持っている人が集まってくるわけですね。僕は20歳くらいだったから、知らないことだらけでした。
クラブでどう踊ったらいいのかとか、どういうふうにお酒を注文したらいいのかとか、コインロッカーはどこなんだろう、みたいなこととかも全部わからないまま、体験していったんです。
何回か通ううちに、そこでの実体験がバックボーンになってくるわけですよね。そうして、自分の体験を、自分のフィルターを通して、違う人に伝えることができます。そこにはクラブを外から見ているだけじゃわからない情報がたくさんある。体験して得た感覚があるからこそ、自分の言葉で語れるようになったと思うんですよね。
まとめると「出版物を見る」「ベンチマークする人をつくる」「体験できる場所に足を運ぶ」という3つが、僕のセンスの育み方です。
「知っている人」と「知らない人」の差はめちゃくちゃ大きい
これに加えてね、身の回りの若い子たちにはよく伝えているんですが、「知っている人」と「知らない人」の分断がこれからより大きくなると思います。その分断を乗り越えて、「知っている人」のほうにチャンスが訪れるんじゃないかなと思うんですよね。
例えば、僕はなんかも今の10代、20代の子たちのカルチャーを知るようにしたいと思っているし、食わず嫌いせずなんでも体験しようと思っています。Voicyでのひとり語りなんかもそう。やったことがないジャンルだったから踏み込んでみたんです。で、実際やってみたら、これまでの自分の体験で感じたことの中から、人に伝えられることが意外とあることがわかったので、大事にしていきたいなと思いました。
あと実はもうひとつ、大切にしていることがあります。それは「内省すること」です。簡単にいうと一人の時間をつくるってことなんですけれど、夜寝る前に1日あったことを思い出して、必ず自分にフィードバックするようにしています。そして、テトリスみたいに組んで、知識やセンス、体験を整理整頓していく。パソコンがハードディスクから必要なデータを取り出すときのように、内省して整理整頓しているから、自分の知見をためて、すぐに取り出せるようになるのかなと思っています。
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- プロフィール
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LECO代表 内田聡一郎(うちだ そういちろう)
2003年より原宿のサロンでトップディレクターとしてサロンワークをはじめ、一般誌、業界誌、セミナー、ヘアショー、著名人のヘアメイク、商品開発など様々な分野で活躍。
2018年 渋谷にLECOをオープン、2020年 セカンドブランドQUQUを2021年にはLECOöbenオープン2022年3月にはLECO oddのオープンを予定。代表として今後一層の活躍が期待されている。著書「自分の見つけ方」(2013年)、「内田流+αカット」(2017年)、「内田本」(2018年)を発売。また、シザーやシザーケースなどのオリジナルプロダクトも発売中。
2019年12月から若手美容師にエールを送るsoucutsラジオを始動。
【twitter 】@soucuts
【instagram】@soucuts
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