オーガニックはパンクだ! 松浦美穂さんに聞く、サロンとオーガニックの心地よい関係づくり
知識があればヘアカラーもパーマもダメじゃない!
本音を言うと健康や地球環境について興味のない人は、美容師になってはいけないと思います。美容師の仕事は髪型をつくるだけではないのですから。髪の毛の下には頭皮があって、体とつながっています。だから美容師は肌のこと、体のことをもっともっとよく知らないといけないんです。
TWIGGY.ではヘアカラーもしますし、パーマもかけます。ケミカルがもたらす頭皮への影響を理解し、予想されるさまざまなトラブルの予防策を知った上で、パーマやヘアカラーで遊ぶことをお客さまに提案しています。簡単に言えば、できる限り頭皮に薬剤はつけません。それさえ守ればブリーチだってしていいと思いますし、実際に提案もしています。
かっこいいヘアスタイルが、オーガニックワールドを広げていく
「オーガニックがいい」と言っていても、さらっとしたなんてことのない髪だけをつくっていては、オーガニックのよさはこれ以上広がっていかないでしょう。だから私はあえて、雑誌などでエッジが効いたヘアを提案していますし、オーガニック派のみなさんにもかっこいいヘアスタイルを提案してもらいたい。「あの美容師さんの話は勉強になるけれど、ヘアスタイルがね…」と言われてしまったら、信憑性に欠けますよね。
ヘアデザイナーとしての自分を磨き続けることで、影響力が生まれ、オーガニックな世界をさらに広げられる美容師になれると思うのです。
1人の美容師ができることは本当に小さいけれど、そこに必ず価値はあります。オーガニックな選択は目の前のお客さまを健康的な美しさに導くだけでなく、地球環境を守ることにもつながっていきます。ストイックになる必要はないけれど、今よりももう少しだけ未来のことを考えながら美容と向き合う人が増えたらうれしいです。
- プロフィール
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TWIGGY.
クリエイティブ ディレクター/松浦 美穂(まつうら みほ)
六本木美容室の店長、ヘアメイクを経て渡英。帰国後にヘアサロン「TWIGGY.」設立。2003年〜2008年、AVEDAアーティスティックディレクターに就任。現在、サロンワークに加え、雑誌、広告、ショーなど幅広く活動中。また、オーガニック・サスティナブルなど「人に優しく」「環境保護」の見解から、2011年TWIGGY.オリジナルヘアプロダクト「ユメドリーミンエピキュリアン」、2016年「TWI」を発表。更に、2016年サロンに隣接されたオーガニックカフェをオープン。ヘアスタイルとともに、一人一人の個性に応じた美容・健康・ファッションを提案していくことを心がけている。
(取材・文/福田 真木子 写真/河合 信幸)
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