歴史あるインカ帝国の中心地ペルーでヘアカット1000人達成! -旅人美容師、桑原淳の世界一周の旅コラムvol.16ペルー編-
その3ヶ月後、僕はまたペルーのクスコを訪れました。
南米三大祭りのひとつ、“インティライミ”を見るためです。
『太陽の祭』という意味のインティライミは、インカ帝国のちょうど元旦に行われ、人々は音楽を奏で、華やかな衣装を着こなし、仮面をつけ、アンデス山脈での新年を祝います。
そしてこのお祭りはたくさん収穫できたことを神に感謝し、翌年もまた収穫できるようにと願う収穫祭なのです。
とても歴史あるお祭りで、第1回インティライミはなんと1412年に行われたそうです。
現代では毎年6月24日に行われ、およそ12万人もの観光客が国内外から見に来る人気ぶり。
南米各地で出会った旅仲間たちもこの有名なお祭りを見るためにクスコにたくさん集まってきていました。
ペルーに再入国したお祭り前日のこと。
久しぶりに再会した友だち、それから泊まっていたホテルのペルー人スタッフに言われるがままカットしていたらあれよあれよという間にカットした人が999人目になってしまいました。
実はペルーに再入国した頃、990人カットした状態だったので1000人カットの旅も終わりにさしかかっていたのです。
予想外な形で心の準備が全くできていなかったのですが、とりあえずせっかく来たことだし街にお祭りを見に行ってみました。
3ヶ月前に訪れたときとはガラッと街の雰囲気が違いました。
道路には人が溢れ、交通規制がされていて歩くのも大変。特に何もなかった公園にも屋台と人がひしめき合い、活気にあふれています。
インティライミの見どころは、なんといても壮大な祭りのスケールとそして人々の衣装です。当日は800人以上の演者が色とりどりの衣装を着こなし広場で踊ります。
笛などの音楽と、そのリズムに合わせて踊る姿はとても美しく、その光景を見ているだけでまるでインカ帝国の時代にいるかのような錯覚に陥ります。
舞台では神への生贄としてリャマの心臓が捧げられます。こうして収穫祭が終わり、アンデスの厳しい冬が始まって行くのです…。