地球の反対にある日本。パラグアイ、イグアス日本人居住区を訪れて-旅人美容師、桑原淳の世界一周の旅コラムvol.13パラグアイ編-
「世界一周をしながら、1,000人カットする! 」
そんな夢を抱きながら旅する美容師、桑原淳(くわばらじゅん)さんの人気連載! 毎月ひとつの国を取り上げ、美容師目線で見たその国の文化や情勢、住む人の特徴や髪質、実際にカットしてみたエピソードなどを紹介します。
こんにちは。旅人美容師の桑原淳です。
僕は現在、 “さまざまな国を周って1,000人カットする”という夢を掲げ、世界を旅しています。この度、好きな美容師をしながら、「ハサミ」一本でいろんな人に出会い、経験をしたことを、僕なりの解釈で紹介させていただきます。
今回は南米“パラグアイ”の事を書きます。
パラグアイ共和国(パラグアイきょうわこく)、通称パラグアイは、南アメリカ中央南部に位置する共和制国家である。東と北東をブラジル、西と北西をボリビア、南と南西をアルゼンチンに囲まれている内陸国である。首都はアスンシオン。
南米の田舎とも言われるパラグアイ。知名度もそれほどなく、訪れる観光客も少ない印象です。名前も聞いたことがないという人もいるのではないでしょうか?
この旅で僕がここを訪れた最大の理由は”イグアス日本人居住区”に行ってみたかったからです。イグアス居住区についてですが、まずはその歴史を書かなければなりません。
今から60年ほど前、多くの日本人が南米の地へ渡りました。ブラジル、ボリビア、ペルー、エクアドル、そしてパラグアイ。
当時の日本は戦後の混乱でとても貧しく、そして仕事もなかったそうです。日本政府は「南米への移住」という政策を打ち出し、募集を始めました。
「南米へ行けばご飯がたくさん食べられる」「コーヒーがたくさんとれる」
そういう生活を夢見て、ある人は家族揃って、またある人は夫婦で劣悪な環境の船にのり何ヶ月もかけて地球の反対側までやってきたのです。
人々を待ち受けていたのは開拓もされていないただの土地。赤土の上に草木が生い茂っていたそうです。
パラグアイ人とは言葉は通じず、食べるものもろくにない…。人々は大変な苦労の末その土地を切り開き、開拓していったそうです。
現在、パラグアイ国内で何ヶ所か日本人居住区があり、日本人・日系人が約7000人がいるそうですが、僕が訪れたイグアス居住区ではおよそ100世帯の日本人が住んでいます。
僕がそこを訪れたのは6月上旬のことでした。