世界一細長い国チリのちょっと不思議な美容事情-旅人美容師の世界一周の旅コラムvol.10チリ共和国編-
「世界一周をしながら、1,000人カットする! 」
そんな夢を抱きながら旅する美容師、桑原淳(くわばらじゅん)さんの人気連載! 毎月ひとつの国を取り上げ、美容師目線で見たその国の文化や情勢、住む人の特徴や髪質、実際にカットしてみたエピソードなどを紹介します。
こんにちは。旅人美容師の桑原淳です。
僕は現在、 “さまざまな国を周って1,000人カットする”という夢を掲げ、世界を旅しています。この度、好きな美容師をしながら、「ハサミ」一本でいろんな人に出会い、経験をしたことを、僕なりの解釈で紹介させていただきます。
今回はチリ共和国(通称チリ)について書きます。
チリは、南アメリカ大陸にある国で、アルゼンチンや太平洋に接しています。長さなんと6435キロの海岸線を持ち、世界一“細長い国”なんだとか…国は細長いけど、南米の中では繁栄国に位置しラテンアメリカ諸国をリードしている大黒柱的存在なのだそうです。
僕は3月末、ペルーからバスでチリに入国しました。まずはペルーとの国境にある街アリカに向かい、そこで数日過ごした後首都のサンティアゴを目指し南下しました。
…それはただひたすら30時間バスに揺られるだけの退屈な旅になるはずでした。
バスが発車して10時間が経過した頃、チリ北部を襲った何十年に一度という規模の大洪水のおかげでバスが動かなくなってしまい、バスターミナルで3日間足止めされてしまいました。
インターネットもない、風呂もない、ご飯も満足に食べられない、英語話せる人もいない、そして僕はスペイン語が話せない。
そんなまぁまぁ過酷な状況でもさり気なく乗客の髪を切ったりしていました(笑)
そうして乗客のみんなと仲良くなった僕はいつまでも動かないバスに見切りをつけ、ヒッチハイクでサンティアゴへ向かうことに。
運良く大型トレーラーにひろってもらえたのですが、真っ暗な倉庫で外の景色を見ることなく日中をすごしたり、鉄板の床で極寒の夜を過ごしたりとそれはそれでキツイ2日間をすごし、やっとのことでサンティアゴに到着しました。