ギリシャの古代都市“アテネ”の美容室に突撃-旅人美容師の世界一周の旅コラムvol.5ギリシャ編
「世界一周をしながら、1,000人カットする! 」
そんな夢を抱きながら旅する美容師、桑原淳(くわばらじゅん)さんの人気連載! 毎月ひとつの国を取り上げ、美容師目線で見たその国の文化や情勢、住む人の特徴や髪質、実際にカットしてみたエピソードなどを紹介します。
こんにちは。旅人美容師の桑原淳です。
僕は現在、 “さまざまな国を周って1,000人カットする”という夢を掲げ、世界を旅しています。
この度、好きな美容師をしながら、「ハサミ」一本でいろんな人に出会い、経験をしたことを、僕なりの解釈で紹介させていただきます。
今回はギリシャについて書こうと思います。
ギリシャ共和国(通称ギリシャ)は、ヨーロッパの南東、バルカン半島にある国です。
エーゲ海を中心に存在する3,000もの島によって成り立っています。
ギリシャは地中海文明のルーツのひとつであり、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの歴史に大きな影響を与えたそうです。
またオリンピック発祥の国としても有名で、近代オリンピックでは1896年と2004年に首都アテネで開催されました。
僕は12月にギリシャ南部にある首都のアテネに入り、そこから陸路で中部にある世界遺産メテオラ、東部にある海辺の街テッサロニキを訪れました。
アテネは有名な古代遺跡パルテノン神殿がある街でありながら、至るところでストリートアートが見られるという不思議な街です。
プロのアーティストが依頼を受け建物に絵を書く場合も多々あるそうですが、ただのいたずら書きも多く、歩いていると街のどこでも目にすることができとても楽しいです。
世界遺産メテオラはアテネからバスか電車で5時間ほどのところにあります。
メテオラは世にも珍しい複合遺産という種類の世界遺産です。
複合遺産とは文化、自然遺産の両方で登録されているもので、世界でたった20数カ所しかないとか…。
ギリシャ中部に岩山が垂直に立っている不思議な平原があるのですが、今から約500年ほど前にこの岩の上に、”俗世と離れ修行する”という理由でキリスト教の修道院が建てられたそうです。
下から見ると頂上にたどり着くことすら無理そうな岩山にいくつもの修道院が建てられているところを見ると圧巻の一言。
僕は朝日を見るために早朝5時半に1人山登りをスタートしたのですが、野良犬に追っかけられてすぐやめてしまいました(笑)。
結局タクシーを使い山の頂上まで行ったのですが、そこから見た朝日とメテオラの修道院群が本当に綺麗で涙が出そうでした。
今回は首都アテネでギリシャ人カリスマ美容師の働くお店に突撃した話を書きたいと思います。
ひょんな事から知り合い、泊めてもらっていたギリシャ人のクリスと話していたとき、彼がこんなことを言いました。
「もう少し早く来てくれていたらカットして欲しかったよ。明日もう美容室に予約してしまっているんだ」
それは残念だ…と思いつつ、ふと彼について行ってサロン見学させてもらおう!と閃いたのです。
彼と共に美容室「scissors」(しざーず)を訪れました。