憧れのトレンド発信国“イギリス”で出会った美容師マデリン-旅人美容師の世界一周の旅コラムvol.4イギリス編
「世界一周をしながら、1,000人カットする! 」
そんな夢を抱きながら旅する美容師、桑原淳(くわばらじゅん)さんの大人気連載の第4弾! 毎月ひとつの国を取り上げ、美容師目線で見たその国の文化や情勢、住む人の特徴や髪質、実際にカットしてみたエピソードなどを紹介します。
こんにちは。旅人美容師の桑原淳です。
僕は現在、 “さまざまな国を周って1,000人カットする”という夢を掲げ、世界を旅しています。
この度、好きな美容師をしながら、「ハサミ」一本でいろんな人に出会い、経験をしたことを、僕なりの解釈で紹介させていただきます。
今回は美容師の憧れの地と言っても過言ではないイギリスです。
イギリスといえばどんなイメージがありますか?
僕は、ヨーロッパの左側に浮いたあの島に、エリザベス女王がいて、オシャレな人がたくさんいて、赤いバスが走ってて、赤い電話ボックスがあって・・・。
というようなイメージでした。
日本では単に”イギリス”や”英国”と呼ばれることが多いですが、正式にはグレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)と言います。
ウェールズ、スコットランド、北アイルランドそしてイギリスの4つの国の総称です。
僕自身も以前は勘違いしていましたが、イギリス以外の3つの国はそれぞれ独自の言語、政権、首都をもち、イギリスの一部ではなくイギリス王室属領という扱いになります。
そういった勘違いから生まれる、よくしてしまいがちな失敗で、例えばウェールズ人に会ったときに「Are you English?」と聞いてしまうことがあります。
ウェールズ人はイギリス人ではないので、それは大変失礼なことなんです。
イギリスを含む島全体や、そこに住んでる人を指す場合は「UK」「ブリティッシュ」という言葉を使えばいいのですが、中にはそれもよく思わない人もいるそうです。
そんなちょっと複雑なユナイテッドキングダムですが、今回僕はそのなかのイングランドの首都である“ロンドン”を訪れました。
ロンドンは800万人以上が暮らすヨーロッパで1番の大都市で、ニューヨークと並び世界をリードする都市として、芸術、商業、教育、ファッション、メディア、観光などかなり広い範囲の分野にて強い影響力があります。
また世界で最も来訪者の多い都市であり、オリンピック開催都市としては史上最多だそうです。
つまり世界的に大人気なんですね。
またロンドンは驚くほど物価が高い街です。
僕がいた当時は1ポンド約180円
宿は安くても10数ポンド、レストランでも安くて6 ポンド、地下鉄の初乗りは4ポンドとかなり高額です。
それから、ロンドンは非常にインターナショナルで、決してイギリス人だけが生活しているわけじゃありません。
北欧系、東欧、スペイン系の人たち、そしてアジア系、アラブ系、アフリカ系。
街を歩けばいろんな肌の色、顔の人がいて、いろんな言葉を話していて、世界のさまざまな人種がこの街に集まっているなという印象。
特に外国人の少ない日本で育った僕には結構衝撃でした。
ロンドンについた初日、さまざまな災難? が降りかかりしかたなく公園で寝るハメになりました。
そのことを、世界中で人気の写真投稿アプリ“Instagram”に投稿したところ、イギリス人のフォロワーの方々から「寒いからウチに来なさい!」との温かいお言葉をいただき、その中の1人の美容師の女性と連絡を取り合うようになりました。
「もし誰かの髪を切るならうちの店を好きにつかってちょうだい! 夜も店で寝ていいからね」と言っていただいて、またとないチャンスかもしれない! とありがたくお言葉に甘えることにしました。
翌日、指定されたロンドン郊外にあるハガーストーンという駅に向かい彼女と会いました。