衝撃のインド。死者の街バラナシで出会った人々-旅人美容師の世界一周の旅コラムvol.3インド編

最後にインドの美容室、床屋事情を話そうと思います。

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インドの文化では女性はあまり髪を切らないので、日本人旅行者などで髪の短い女性を見るとインドの男性はなんだかすごく変な感じがするそうです。そういった文化的な背景もあり、インドでは女性用の美容室よりも、男性用の床屋さんが圧倒的に多くあります。

 

それからあまり知られていませんが、高級なお店や普通の小さいお店の他に、路上で営業をしている床屋さんも非常に多いんです。それぞれ縄張があるようですが、いろんなところをまわってお客さまを集めたりすることもあるそうです。

 

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駅、道路、川の前、いろんなところで子どもからおじいちゃんまで、路上で椅子やただの箱に腰掛けて髪を切られているのを見かけました。料金はヘアカットが20〜30ルピー(約50円)それだけでなく、ヒゲ剃りも一般的な人気のメニューの1つです。こちらも料金は 20〜30ルピー(約50円)カットしてヒゲをそっても100円程度と、破格の値段設定になっています。これはローカルなレストランでカレー定食を食べるのと同じくらいの値段です。

 

 路上の床屋さんを何度か見学させてもらっていて気づいたことがあるのですが、多くの理容師さんはカットするときに、その場から全く動きません。お客さまと向かい合うようにしゃがみ、そのままカットしていきます。

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後頭部をカットするときには頭を抱え込むようにし、切っているところがよく見えないだろうなぁというような状態。日本の場合、後頭部をカットするときは通常下から上へと刈り上げていきますが、向き合った状態なのでお客さまの頭を倒し、奥から手前へと刈り上げていきます。

 

頭をカットウィッグのように容赦なくグイグイ左右前後に動かし、ジャキジャキと強めの音がする切れ味の悪そうな錆びた大きめのハサミで、どんどん刈り上げていました。最後に襟足と耳の後ろを剃刀でピッチリとラインが出るように剃って完成。

 

これはインド人男性の間では定番のスタイルになっていて”ポリススタイル”と呼ぶ人もいるそうです。でき上がりを見ると綺麗で、ビックリしてしまいました。

 

ある日、仲良くなったインド人の男の子伝いに、インド人のおじいちゃん理容師さんから「カットをしてほしいから店まで来てくれ」と頼まれました。

 

行ってみると店はやっぱり外。

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でもよく見かける路上の床屋さんよりは椅子や鏡があるという点で、普通のお店に近かったです。その理容師さんは、ガンジス川の前で15年床屋さんをしている大ベテラン。

 

僕がカットする代わりに、次はその人がカットしてくれることで話がまとまりました。

 

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丸坊主にされないかとドキドキしつつも刈り上げをお願いすることに。

 

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 どう考えても大きすぎるハサミのせいか、切られているときは耳元で物凄い音がしていて、このまま耳を切り落とされるのではないかと少し怖かったです。でもとても綺麗にスッキリ刈り上げてくれて、仕上がりは本当に満足行くものでした。

 

インドの理容師さんは1日に何人ものお客さまをこなし、そのほぼすべてが男性ということもあり、刈り上げテクニックは本当にすごくて、見ているだけでも楽しいし勉強になりました。

 

インドに行く機会があればぜひ路上カットを試してみてください。

 

価値観が変わるかもしれません!

次回は、美容師の多くが興味をもつトレンド発信国“イギリス”をご紹介。お楽しみに!

 

 

 

プロフィール
旅人美容師
桑原 淳 (くわばら じゅん)

山梨県出身。幼いころのからの「東京の一等地で美容師になる」夢を叶えるため、18歳で上京。日本美容専門学校卒業後は、都内2店舗で経験。「たった一度の人生だから!」という思いから、2014年3月にサロンを退社し、世界一周をして1,000人ヘアカットをする旅に出ている。
blog⇒ http://junkuwabara0614.blog.fc2.com/

  (撮影・文/桑原 淳)

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