カンボジアの孤児院で青空美容室! 旅人美容師、桑原淳の世界一周の旅コラムvol.1カンボジア王国編
「世界一周をしながら、1,000人カットする!」
そんな夢を抱きながら旅する美容師、桑原淳(くわばらじゅん)さんの連載がスタート!
毎月ひとつの国を取り上げ、美容師目線で見たその国の文化や情勢、住む人の特徴や髪質、実際にカットしてみたエピソードなどを紹介します。
はじめまして!
旅人美容師、桑原淳(くわばらじゅん)です。
僕は現在、 “さまざまな国を周って1,000人カットする”という夢を掲げ、世界を旅しています。
この度、好きな美容師をしながら、「ハサミ」一本でいろんな人に出会い、経験をしたことを、僕なりの解釈で紹介させていただきます。
記念すべき第一回は、東南アジア『カンボジア王国』。
自然が多く、平均気温は年間通して30度ととても暑い国です。
国民の約90%はクメール人で、クメール語を話し仏教を信仰しています。世界遺産の“アンコール・ワット”や“プレアヴィヒア寺院”があり、毎年世界中から多くの観光客がやってくることでも有名です。
また20世紀後半に長く内戦をしていた歴史があり、国内にはその時の内戦の影響で多くの“地雷”と“不発弾”が未だに埋まってます。現在、地雷の処理が進んでいて各都市部は安全になったそうですが、地方は、地雷処理が行われていない場所もあるそうです。そういった事情もあり、後発開発途上国(最貧国)に分類されている国です。
僕は首都「プノンペン」と「シェムリアップ」という街を訪れました。今回はアンコール・ワットがある街「シェムリアップ」について話します。
シェムリアップに到着して数日後、とある日本人ボランティアの方と出会い、その方が滞在している孤児院へボランティアカットしに行かせてもらうことになりました。
そこはソクさんというカンボジア人の方が経営している孤児院。時折外国人のボランティアに手伝ってもらいながら経営しているそうです。孤児院と言っても親がいない子どもたちではなく、経済的に厳しい家庭や、または虐待などの理由でこちらで生活してるという子どもたちがほとんどでした。日本で言うところの児童養護施設に近いと思います。
約束の日、孤児院へ出向き挨拶も早々にさっそくカットを始めました。
こちらの孤児院では地元の方がたまにカットしに来てくれるそうですが、そのときはバリカンで刈るだけ。
オシャレな髪型にはやっぱり興味があるみたいでバリカンだけではできないような髪型にトライする子や、韓国人のアイドルの写真を見せてくれて、「この人のように切ってよ!」と言ってくる子、大五郎カット希望なんて子もいたりしました。
待ち人数はなんと10人以上!そして孤児院にはもちろん女の子もいます。でも、みんな伸ばし中で髪は切りたくない…。
この日がちょうど誕生日だったボッピーちゃんに頼まれ、カットの代わりに簡単なヘアアレンジをすることになりました。
小さい子でもみんな編み込みのやり方を知っていて、いつの間にかみんなで一緒になってやっていました。文化や言葉は違えどやっぱり女の子なんだなぁなんて少し微笑ましくなりました。
子ども達はみんな緊張していたのか、カットをしているときは真剣な顔をして固まっていましたが、終わってからはいつものように元気に走り回ったり、サッカーしたりしていました。
全員のカットが終わってからは僕も混ぜてもらい一緒に鬼ごっこをしたり、葉っぱを使ったカンボジア風折り紙を教えてもらったりと、髪を切ること以外でも子どもたちと触れ合えたことはよかったなと思いました。
そんな子どもたちの中で特に印象的だった一人の男の子がいました。
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