Lond津賀雅也、ice桃田秀人が考える若手トッププレイヤーによる経営術。人がやめないサロンを作り、革新的マネジメントの方程式を探る
代表が自ら動く。チャンスの母数をどれだけ与えられるか
津賀 僕は業務委託で働いたことがないですけど、スタッフにそのメリットを聞くと「自分の時間も取れて歩合も高いし、自由です」と言うわけですよ。でも、その働き方で40歳、50歳になったらどうするの?と。未来のビジョンをイメージしたときに、可能性のある組織に属しているほうが楽しいと僕は思っていて。夢も広がると思うんです。
桃田 売上が上がると育ててもらったサロンから独立して、スタッフも連れて行っちゃう人とかもいますよね。それってお客さんも「何かあったのかな」と感じると思うんですよ。残念ですよね。
津賀 そもそも組織から離れる理由は、給料や休日の少なさ、上下関係が原因じゃないですか。そこをクリアして、やりたいことができる会社を作れば人が集まって、大きくなると思うんです。
桃田 そう思います。
津賀 いい会社って、どれだけスタッフにチャンスを与えられるかだと思っていて。僕は『ロンド』でチャンスをもらってきたし、代表がどれだけ自ら動いてセミナーとか取材とかのチャンスをあげられるかが鍵だと思っています。規模が大きくなっても、「こういうことをしたい」と言われたら、どれだけやらせてあげられるか。そこは重要視しています。
桃田 売上があっても、後輩から支持されてない人は売上がないのと一緒だと言ってたよね。
津賀 そうなんです。人がついてくる人間にならないといけない。だから、営業中にスタッフに何かを伝えるときも、相手にとって理不尽じゃないかどうかを自分に問いかけてから発言するようにしています。経営面の話なども、できるだけ内情がわかるように隠さず伝えているし。
桃田 スタッフの人生に寄りそうサロンをつくっていきたいよね。
取材の様子はYouTubeでも公開中
津賀雅也/OneBloom代表取締役社長
福岡県出身。福岡美容専門学校を卒業後、歌手活動を経て美容業界へ転身。『Lond』でデビュー初月に160万円を達成するが、伸び悩んでSNSを開始。ショートヘア投稿がバズり、1年後にトップスタイリストへ昇格。その後、表参道店副店長などの要職を経て、2021年春に株式会社OneBloomを設立。同年9月『LondBloom天神大名店』をオープン。
Ig @short_tsuga
桃田秀人/ice代表
福岡県出身。福岡美容専門学校を卒業後、地元・北九州市のサロンに就職。その後、1年休職して再び美容師の道を目指し、福岡の人気店で技術を磨いて2年で着々と顧客をつかむ。新しい環境で挑戦するため、26歳で上京。表参道のサロンに所属し、顧客0から3カ月で売上400万円を達成。現在は『ice』の代表を務め、サロンワークとマネジメントを行なっている。
(文/織田みゆき photo/松林真幸)