千葉発!美容を通して社会変革を起こす!THE ORIENTAL JOURNEYが美容師目線のサステナブルな選択【タブロイド版リクエストQJより】
人と環境に配慮する美容業界へと変えたい!
大規模な油流出事故で、油まみれになった鳥をニュースで見たことがあるのでは? 世界の海では油流出の事故が後をたたない。周辺海域のサンゴ礁が汚染され、海に生育する魚、海上の鳥類までも甚大な影響を与えている。
「鳥の羽毛やラッコの被毛は油を吸収する性質があるそうです。同様に人毛にも、油を吸収する性質があるため、それらを世界中で集めて人毛マットにして、油の吸収材を作ろうという動きがあります。廃棄するしかなかった髪の毛が社会に役立てられたらいいと思いませんか?」
そう話してくれる猿田さんは、まさにサステナブルを実践中。猿田さんが経営するサロン「オリエンタルジャーニー」の店内には、環境に配慮したアイテムで埋め尽くされている。
「サロンワーク中、薬剤が混じった水を排水することに罪悪感を感じる美容師さんも多いはずです。国内25万店舗あるヘアサロンから、毒性のある排水がシャンプー台から毎日、大量に流されているんです。だから僕のサロンを作るとき、真っ先に取り組んだのは排水を無害化処理するオゾン水システムを導入すること。シャンプー台に設置するだけなので、簡単にできるんです」
猿田さんが目指しているサステナブルサロンは、美容師が簡単に取り組めて、かつ経済と環境の好循環を生み出すカタチ。環境負荷の高い美容産業は業界構造の転換がマストと考え、サロン内システムの再編のモノサシを作っている。もちろんそこにはSDGsが目指す「誰一人取り残さない」という配慮も織り込み済みだ。
「ヘナカラーは一番人体にも優しいけれど、おしゃれなカラーが出来ないことを我慢しなきゃいけない。それは、誰一人取り残さないというSDGsのコンセプトにも合わないんです。日本で推進しているサステナブルサロン認証は、薬剤も選べるし、今まで通りのオシャレも楽しめる、現実的な基準を設定しています」
環境に優しいサロンのカーボンニュートラル先進実例
サステナブルなヘアサロンではどんなことにこだわっているの? 「THE ORIENTAL JOURNEY」で見つけた環境に優しいアイテムの一部をご紹介。
身体の不自由な方々が働く作業所で紙製のショッパーにリメイク。
木から生まれた使い捨てタオル「easydry」は、水や電力も不要で、100%生分解が可能。一般的なタオルの3倍の吸収力があり、ホテルやスパでも使われている。
社会全体でシェアする梱包バッグ「stible」。オンラインショッピングでゴミになる段ボールや緩衝材をなくしていくために誕生。使用した「stible」はポスト投函で返却できる。
BIO HOTELS JAPAN®︎のシャンプーは100%自然由来成分で、ヨーロッパの厳しいオーガニック基準をクリアしている。
薬剤を無害化して排水するオゾン水システムをシャンプー台に設置。
強度の高いバナナペーパーを使用したハンガーには、「THE ORIENTAL JOURNEY」ロゴを配置。
サロンで使用する電力は100%再生エネルギー。また壁には天然の漆喰を施し、アレルギーの原因となるホルムアルデヒドを除去して匂いも軽減。漆喰壁が呼吸をすることで、冬場の「乾燥」や夏場の「湿気」を防ぐ効果が期待できる。
1920年代のアンティークのワゴン、チェアなどこだわりのインテリア。100年以上経ってもまだ使える家具が、サステナブルの真髄を伝えている。
外観には目立つ看板はなく、サロンの玄関前に間伐材で製作した小さな表札が置かれただけ。販促費をかけずとも、環境意識の高い顧客が「THE ORIENTAL JOURNEY」を見つけてくれる。
THE ORIENTAL JOURNEY 代表
一般社団法人
日本サステナブルサロン協会代表理事
猿田哲也
前職のサロンで漏水事故を起こした経験から、「キレイをつくる美容室が、地球を汚している」という矛盾に気づき、2019年にサステナブルなヘアサロン「THE ORIENTAL JOURNEY」を千葉県柏市にオープン。ヘアサロン業界において日本初のBIO HOTELS JAPAN認証取得。日本サステナブルサロン協会を設立し、既存サロンを経済合理性にかなったサステナブルサロンへ転換させることを標榜し、サポートを行なっている。
【タブロイド版リクエストQJより】
(文/リクエストQJ編集部 撮影/松林真幸)
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