デザイナーチーム「,et」発足! 東急線エリア3サロンが提案する、サロンの垣根を超えて強くなる小さなサロンの成長戦略



ひとたび「サロン」というカタチが出来上がったら、なかなか新しい要素は入ってこないもの。将来への不安も、おもしろいことへの渇望も、自分たちの中から生み出し、解決していくしかないのです。でも、本当にそうなのでしょうか? たとえばサロンの垣根を飛び越えて、他の美容師とタッグを組んでみたらどうでしょう。1サロンでは見えなかった未来がつくれるかもしれません。

 



「,et(エト)」は安齋由美(あんざいゆみ)さん、サトーマリさん、悠馬(ゆうま)さんの3人が中心となって生まれた新チーム。それぞれ原宿、青山のトップサロンで活躍し、今また別の地でサロンを率いる立場となった3人が、なぜチームを組んだのか? その理由から小規模サロンの未来に向けた動き方が見えてきそうです。


「おもしろいことをやろう!」から始まった、各サロンの将来に向けての働きかけ


—「,et」は今年の4月に発足したばかりのチームですよね。3人が一緒に組むきっかけや理由はなんだったのでしょうか?

 

サトーマリさん(以下、サトーさん) 「私がまず悠馬くんに声をかけたんですよね。なんかやらない?って。本当に何をするか考えてもいない段階だったんですけれど、何かやりたいなって思って」

悠馬さん 「そう、だからはじめは『え、なに?』っていう感じでしたよ。でもちょうど今のサロンで働き始めて1年経った頃で、何かおもしろいことを始めたいという感覚はありました。それに話してみたら、サトマリにはちゃんと考えがあったじゃん」

サトーさん 「そうですね。自分たちでお店をやるようになって、雇われていたときよりも将来のことを考えるようになったんですよね。5年後、10年後のことを考えたときに、今のうちから何か始めておかないと、お客さまにしても、センスや技術にしても下の代につなげていけないなと感じていました。しかもやるんだったら単体よりも、2サロン、3サロンと集まったほうがもっと大きいものができるんじゃないかと思って、悠馬くんに声をかけました」

悠馬さん 「そういった話を聞いて、アンちゃん(安齋さん)にも声をかけたんです。そのときも、とりあえず何かやるんだけど、一緒にどう?って 笑」

安齋由美さん(以下、安齋さん) 「たしかにそんな感じでしたけれど、このメンバーならおもしろいことがやれそうだなと思って即答しました」

 

 

—チームで作品撮影をされたのが一番始めの活動だったようですが、「,et」の活動内容や趣旨はどういったものですか?

 

安齋さん 「『,et』という名前は悠馬さんが提案してくれたんですよね」

悠馬さん 「『,et』はフランス語のandという意味。それに、3つ以上のものを並列するときのカンマをつけて「,et」としました。A,B and Cみたいなことですよね。ちょうど3人いるし、髪と人とライフスタイルをつないでいくというような意味も込めて。日本語だと、『えっと』という接続詞のようにもとれるし、特に意味のないニュートラルな感じが出ればいいなと」

サトーさん 「撮影から始めはしたんですけれど、一番のテーマはそれぞれのサロンに将来お客さまをつなげていく力をつけることです。そのためにまずはブランディングという意味も込めて、美容師さんに向けて撮影やセミナーで発信していって、ブランドを大きくしてから発展していけたらいいなと思っています」

悠馬さん 「アイデアはいろいろあるんですが、実現するためにはまずは自分たちがブランドとして力をつけないと。たとえば代官山と学芸大学という東急線沿いの3サロンが集まっているし、同じ沿線のイケてる他業種のショップとコラボして、ビジュアルをつくったり、いい影響を与え合えたりしたらいいなとか」

安齋さん 「セミナーも従来の形とは変えたいと思って話し合っています。たとえば47都道府県全部をまわって、各土地の伝統工芸と何かしらの形でつながって見せられないか、とか。やり方によっては国の助成金を使う方法もあるんじゃないかと思っています。大変だとは思うんですけれど、時間をかけてやっていけば、おもしろいことができそうな気がしています」

悠馬さん 「国の助成金とか、自分だったら思いつかない こういうところが一緒に組むおもしろさのひとつでもあります」

 

 

>違うサロンの人たちと作品をつくるって、どんな感じ?

 

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