LECO代表 内田聡一郎×ファッションスタイリスト相澤樹×ヘアメーキャップアーティスト奥平正芳 ミキティは数学脳でオクちゃんは天才肌!? 新しい表現ってどう生み出すの? Voicyスペシャル鼎談(ていだん)
渋谷のヘアサロン「LECO」の代表、内田聡一郎さんは音声メディアVoicy(ボイシー)で「soucutsの美容師ラジオ」という番組を運営しています。今回のゲストは“ミキティ”の愛称で親しまれるスタイリスト(ファッションよろず屋)の相澤樹さんと、ファッション雑誌や広告などで独創的な世界観を披露しているヘアメーキャップアーティスト奥平正芳さんという超豪華なお二人です。ここでしか読めない超貴重な内田さんの異業種鼎談を前編・後編に分けてお届けします。今回は後編です! まだの方はぜひ前編とあわせてご覧ください!
「ミキティと仕事した人はみんなミキティが好きになっちゃうよね」(内田)
内田 これまでの話を踏まえて聞いてみたいんだけど、昔と今で仕事の感覚は変わってる?
相澤 私は全く変わらない。
内田 ミキティはね、楽しんでやってんなぁって感じするもん。
相澤 昔から同じだよね。座右の銘じゃないけど、師匠が「今日が最後でもよかったと思える仕事をしたほうがいいよ」と言われたことがあって。だから後悔しないように毎朝、起きた時にその言葉を自分に語りかけてる。「今日が最後かもよ。全力でやんなよ」って。
内田 いいね、この仕事が好きってのがにじみ出てる。
相澤 そうだし、やっぱり人が好きだな。
内田 そっか。ミキティと仕事した人はみんなミキティが好きになっちゃうしね。
奥平 そうだよね。
相澤 人と一緒にいると、自分一人で成し遂げられないことができるじゃん。だから仕事が好きだし人が好きだしこの感覚は変わらないと思う。多分、ずっと。
内田 ミキティはさ、ファッションスタイリストになるべくしてなった感じがするね。
相澤 私はファッションスタイリストじゃないかも。ファッション万屋(よろずや)になりたいから。ファッションのことならなんでもやれる人になりたいの。オクちゃんは変わったところあるの?
奥平 全然仕事がないところからやっているから引き受けた仕事は絶対に一生懸命やる。それは変わらない。昔はおもしろい仕事ばかりやりたいと思っていたけど、今はどんな仕事もおもしろさを見つけられるというか、そこは変わっているかもしれないな。
内田 ファッションの撮影の時は、衣装の人がイニシアチブを持ってるの?
相澤 ファッション雑誌のキャスティングは基本的にスタイリストから決まるの。それで編集さんと私たちが話して、「今回こういうテーマだからカメラは誰だよね、こういうところでこんな感じで撮ろっか。じゃあヘアメイクは誰がいい?」みたいな感じで、最後に決まるの。決まるのは最後だけど、一番鍵を握るのもヘアメイクかも。
内田 じゃあ、ヘアメイクは要望を100%反映してやる感じか。
相澤 いや、全然だよ(笑)。よくさ、オクちゃんにヘアメイクルームに呼ばれて、「こうしたいと思うんだよね」とか言われて、「確かにそれおもしろいね」ってなる場合もあるし。「それはやりすぎだよ」ってなることもある。そういうディスカッションはあるよ。
内田 そこはわざとハズしていっているのかな。
奥平 ファッションの場合は衣装が決まってて、カメラのアングルもライトも決まっている、そのバランスをとるのがヘアメイクなんだけど…こうすればいいっていう合格点は見えているんだけど…。
相澤 ハズしたいんだよね、多分。
奥平 80点を取ったところで…ね。
相澤 その先が見たい気持ちもあるしね。
内田 じゃあ、現場で全然違うものになることもある?
奥平 あると思います。
>「みんなで『やっぱこれだね』ってなれるからチームでやれてるのかな」(奥平)