短距離走のワークスタイルはもう終わり。SIX久保雄司さんが掲げる、スタッフの働き方改革とは。

 

完全週休3日制も。会社のフォローは手厚く、自主性を重視した働き方

 

-リニューアルの内容を教えてください。

 

「Style Select System(スタイルセレクトシステム)」という名称なんですが、ざっくりいうと、自分の働き方は自分で決めていこうという体制をつくりました。従来は、アシスタントとスタイリストで多少の差はありますが、一律同じ働き方。カリキュラムも、ひととおりの技術を学んでスタイリストデビューするという流れでした。

それを今回は、アシスタントの段階で自分が何を学びたいかを決めてもらいます。カラーに特化したければそれでいいし、たとえばボブに特化したいと思ったらボブが切れるようになった時点でデビューしてもいい。ずっとアシスタントがしたければ、それでも全然構いません。自分の好きなことを見つけて、そこに集中して時間をかければいいと思っています。途中で進路変更もありです。

 

 

スタイリストデビューして昇格した後は、「パーソナルスタイリスト」、「トップスタイリスト(カラーリスト)」、「クリエイティブスタイリスト」といくつか選択肢を用意しています。自分の状況に合わせて自由に選んでもらいます。

パーソナルスタイリストはいわゆるフリーランスの働き方。これは、いろいろな事情で平日や週に1回しか来れないとか、別の仕事と半々でやりたいとか、限られた時間で有効にサロンワークをしたいスタッフのために設けました。

 

トップスタイリストは従来どおりの正社員雇用。メリットとしては正社員なので社会保障や福利厚生が手厚いところです。このリニューアルに伴って、病欠も含めて取得できる有給休暇を増やしました。また、コロナ等の長期に渡る病気の給与補償もしますし、そもそもの給与も大幅にアップさせます。この待遇改善を最も享受できるのがこのトップスタイリストですね。

 

 

クリエイティブスタイリストは、トップスタイリストと同じく正社員で給料システムも同じなのですが、完全週休3日制です。自分の時間を増やして新しいことに挑戦したい人や、週に5日働くのが体力的にきつい人向けにつくりました。ですからこのポジションに限り、副業も許可しています。個人で受けた外部の仕事をするとか、勉強のため別業種で働きたいなどの希望はこの働き方で叶えることができます。もちろん単純に休んでもいいです。今回のリニューアルは自由度が高い分迷うこともあるかもしれませんが、自分でしっかり考えて成長していこうというのが狙いのひとつでもあります。

 

 

あらゆる選択肢をスタッフのために用意しておくのが僕の役目

 

−今のところ、どのポジションを希望するスタッフさんが多いですか?

 

スタイリストは、今回の仕組みと似たような働き方をしているスタッフがそれぞれいたので、自分の状況に合わせてという感じでしょうか。アシスタントは、今のところ全員、カットもカラーも学んでデビューしたいと言っています(笑)。でも、カラーリストになりたい人、フリーランスになりたい人がいるから、このシステムをつくったわけではなくて。選択肢を用意しておくことが大切だと思ったからこのリニューアルに踏み切りました。会社の仕組みを変えられるのって経営者しかいないんです。今働いているスタッフたちのいろいろな状況が変わった時に、SIXにフィットしないということをなくしたかったんですよね。

 

 

近年より強く感じるようになりましたが、同じサロンで働いているとはいえ、スタッフそれぞれ大切にしたいものも違うし、時間のかけ方も違います。「うちはこういうルールだから、こういう働き方しか認めない」と、スタッフをまとめるのもありだと思います。だけど、僕は自社内で叶えられることならば多様な選択肢を用意してのびのびと働いてほしいし、柔軟な対応をすることでスタッフが辞めずに済むならうれしい。正直、これでも辞める人はいるでしょうけど、会社がスタッフのためにあらゆるステージを設けているか、いないかで全然変わってくると思うんですよね。

 

>三者三様の考えに、どれだけ耳を傾けられるのか

 

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