【美容師のハサミ】アップスタイルから着想を得て機能的な道具をプロデュースする新井唯夫さん。ウィッグ、コーム、スタイリング剤にも注目。アップスタイリング実演のオマケ付き
プロが愛用する、面目躍如たる道具たち
新井:コームもマニアックで目的に応じたいろんなタイプなものを揃えているんです。こちらはSSという、究極に細かい櫛歯です。
ミニサイズもあって、こちらは小回りが効くので編み込みに最適です。編み込みって毛束が少ないので、スライスをとったりシェイプをする時には小さいサイズの方がすごく便利なんですよね。
こちらのコームはテールを使って中の髪を引っ張り出したり、表面の面を持ち上げたりといろんなことができるんです。カールの逆毛を立てたり、抑えたり、同時に梳かしたり。テール1本でやる作業を、これなら3本、5本で一気にできるのでヘアメイクや作品撮りの時に重宝するアイテムです。
このダッカールもかなりマニアックですよ。両方隙間が開いているんです。両面が凸曲線状になっているので、挟んだ場所に跡がつきづらいのです。一般の化粧品メーカーの方やヘアメイクさんにも使ってもらっています。
韓国で大ヒットしたロールブラシは、このたび日本でも新発売しました。しかもレインボーカラーで、柄の部分の構造も改良しているので持ちやすい。中にアルミ板も入って熱伝導もよく、毛先がツヤツヤに仕上がります。一番は引っ掛かりがよく、抜けやすいこと!
ようやく本題に!「美容師のハサミ」
トカジ:では今日の取材のテーマでもあるハサミについて紹介をお願いできますか?
新井:はい、こちらに並んでいるのはN.B.A.A.のハサミです。僕はウェットも切るけど、どちらかというとドライカットなんです。僕が使っているものはこちらで、TADAO ARAIと名前が入っていて。
やや笹刃で髪が少し逃げるような構造になっています。さらに360°どこからも切れるように角度がついているのが特徴です。かなりドライ寄りにしています。
あと特徴的なものだと、こんなものも! 48目の長いセニングシザーです。ロングヘアで斜めにセニングを入れた方がボカシが効くわけです。長さがある分、1発でいけちゃう。
思いっきり笹刃のミニサイズもあります。これはメンズなど短い髪の毛をこのままストロークしたり、上から入れたり、根元からグイッと削ったりできるんです。「まっすぐ切れないじゃないか」と言われそうだけど、そりゃそうなんです! 絶対まっすぐ切れないようにしているんです(笑)