美容師が知っておきたい最新コロナ情報vol.8 スタッフを「コロナ鬱」や「コロナハイ」から守るために
●どんな症状が出たら、メンタル不調を疑うべき?
「ストレスがかかると、まずは体がそのストレスを感じて反応します。具体的には、①眠れなくなったり、眠りが浅くなって途中で起きてしまうようになったら要注意。
また、②頭痛や胃痛などの痛みが出た場合や、持病が悪化しているような場合も、ストレスが高まっている可能性があります。
③お酒やタバコ、SNSなどへの依存が増えたときも注意。また、④集中力の低下も意識しましょう。本が読めなくなったとか、遅刻や仕事のミスが増えるなども要注意です」(鈴木先生)
自分がどれくらいストレスがたまっているかを知るには、ネット上で無料公開されている「ストレスチェック」のような診断ツールを使うのも有効だそう。
●メンタル不調になったら、コーピング
もし、自分が疲れていることに気付いたら、自分を救うための「コーピング」という対処法を持つのが良いそうだ。
「コーピングとは、自分を助けるためにとる行動のことを指します」と、鈴木先生。
たとえば
・信頼できる人とおしゃべりをする
・小さな幸せを感じる瞬間を集める
・なるべく太陽の光をあびる
などなど。
中でも、コロナ下において、鈴木先生のおすすめのコーピングは2つ。
「ひとつめは、自分の感情がポジティブに動くアクションを開拓することです。自分が『気持ちいい』『快適』と思える感覚を探す。これだけで、セルフケアになります。たとえば、朝、コーヒーを入れるととても気持ちいいとか。漫画を読んでいるときは嫌なことを忘れられるとか、そんな感じです」(鈴木先生)
ポイントは、それらが何の役に立たないことでも、利益にならないことでもいい。むしろ、誰の役にも立たない、単純に自分だけが心地よかったり、楽しいと思えるようなことの方がいいのだとか。
「善悪をつけるのもやめましょう。『これは良いことだからやろう』というのではなく、自分がやって気持ちいいことを探すのです」と鈴木先生。
これが、自分を安心させてくれるコーピングとなり、セルフケアができるのだそう。
「もうひとつは、『最低限、人とつながっている』という感覚を実感すること。人は本当に孤立しているときは、集中してセルフケアすることができません。孤独の中で自分を癒そうとすると、お酒やタバコ、自傷など、健康リスクの高いコーピングに目が向かいがちなのですが、最低限のコミュニケーションがとれていれば、自分の感覚に向き合いやすくなります」(鈴木先生)
ただし、この場合のコミュニケーションはTwitterやInstagramなどの、1対多数のコミュニケーションではなく、DMやLINE、もしくは対面などの1対1のコミュニケーションを丁寧に行うことを意識するほうが、「つながり感」が得られやすいそう。