【vol.5】速報! 持続化給付金。もらえる? もらえない? どう申請する?(美容師が知っておきたい最新コロナ情報)

創業特例(比べる昨年の売上がない場合・2019年に開業したような場合)

 

 

2019年から2020年の間に開業した人、法人化した人などは、申請にあたって注意が必要だ。

 

まず、2020年に独立した個人事業者と、2020年に設立した法人(法人成りを除く)は、残念だが今回の給付金の対象外になる(表①)。

 

一方で、2019年に独立した個人事業者と、法人設立した場合は、比較対象となる月の売上が存在しない人もいるだろう(表②)。そのような場合は、平均値をとって計算をすることになる。

 

「たとえば、2019年10月に開業(法人設立)した場合は、10月、11月、12月の売上平均値に比べて、2020年4月の売上が50%以上ダウンしている場合は、申請できる対象になります」(西川さん)

 

(例)

10月売上90万円  

11月売上120万円 

12月売上150万円

2019年合計売上 

360万円の場合

360万円÷3ヶ月=平均120万円

 

 

2020年4月売上高 60万円(50%ダウン)
給付金の受給が可能

 

注意しなくてはならないのは、たとえば月の途中の10月15日に開業したとしても、残り15日分の売上が10月の売上とカウントされること。

もし、2019年12月に開業(法人設立)して、売上が1ヶ月分しかない場合などは、その月の売上が2019年の平均値になる。

 

法人成りした場合は注意が必要

 

個人事業者から法人になった場合、これを「法人成り」という。2019年に設立か、2020年設立かで取り扱いが異なります

 

・ 2019年に個人事業者から法人になった場合(表③・創業特例)

 

「2019年に法人成りした場合には、先ほど説明した②のパターンと同様になります。法人設立したところからの平均値と比べて、該当月が50%以上ダウンになっていれば、給付の対象となります。つまり、個人のときの売上は見ません。」(西川さん)

 

・2020年に個人事業者から法人になった場合(表④・法人成り特例)

個人事業者時代の売上と比較した月の売上が50%以上ダウンしていれば、申請対象になる。

 

提出に必要な書類は、法人の場合に必要な提出書類に加えて

・2019年の個人事業者時代の確定申告書

・法人の設立届出書

・個人事業者の廃業届出書

・履歴事項全部証明書

が必要になる。

 

「この廃業届ですが、ひょっとしたら提出を忘れている人がいるかもしれません。法人成りは、個人の廃業と法人の設立がセットです。個人廃業届出に引き継ぐ法人名を記載します。法人設立届出には元の個人事業の整理番号を記載することになっています。この特例を受けるためには、税務署に提出したこの2つのセットの届出の控えが必要です。控えがない場合には問い合わせをしてみてください。(西川さん)」

 

また、個人事業者を事実上廃業していないケースも、別途問合せが必要になりそう。

 

「たとえば、講師料収入などを、法人の売上とは別に、個人事業として申告している人もいると思います。こういう場合は、問合せをしてみてください」(西川さん)

 

最近法人成りした人は、給付金の上限が変わる。

 

「2020年4月2日以降に法人成りした場合には、給付金の金額が、100万円が上限となります。履歴事項全部証明書に記載されている『会社設立の年月日』を確認してください」(西川さん)

 

おわりに

 

今回は「持続化給付金」について、税理士の西川さんに話を伺いました。

また、5月上旬に、「雇用調整助成金」について、政府から発表がある予定です。

 

今回の「持続化給付金」が売上の減少に対して支払われるお金であるのに対して、「雇用調整助成金」は休業させた従業員に対して支給した休業手当(給料)を補填してくれるお金になります。

 

西川さんいわく、新型コロナ関連で「もらえるお金」は、この2つが柱とのこと。「雇用調整助成金」に関しては、詳細が分かり次第、またこの連載でお伝えしていく予定です。

 

営業を再開したサロンさんも増えてきたように感じます。いま、サロンさんで行われている感染予防に関しては、ぜひこちらもご参照ください。

https://www.qjnavi.jp/special/trend/satoyumi_em_4/

 

 

 

識者プロフィール

西川豪康

社員80名、顧問先数1100件の代表税理士。4割(約400店舗)を占める理美容顧問先に対し経営支援を行っている。

 

 

プロフィール

佐藤 友美(さとう ゆみ)



日本初、かつ唯一のヘアライター&エディター。『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)は、NHK「あさイチ」でも特集され、8万部を超える大ヒットに。「美容業界と一般のお客さまの橋渡しになる」ことをミッションに、数々の企画を担当する。最新著書は『女は、髪と、生きていく』(幻冬舎)

 

 

 

(取材・文/佐藤 友美・イラストレーション/カツヤマケイコ)

 

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