【vol.3】コロナ対策、融資と助成金を基本の「き」から!(美容師が知っておきたい最新コロナ情報)
融資(新規借入)を受ける場合は……
現在融資を受けられる先としては、利息返済負担が軽い順番に以下のようになっている。
・日本政策金融公庫(特別貸付+特別利子補給)
・市区町村の商工課→地方自治体同時の金融支援策
・商工会→マル経融資(小規模事業者経営改善資金)
・日本商工会議所
・市区町村の商工課→セーフティーネット保証4号
・市区町村の商工課→セーフティーネット保証5号
・信用保証協会→危機関連保証
「いま、サロンさんが新規で借入を行うのであれば、通常の融資枠と別にコロナ対策の融資が受けられます。超大手サロン以外のコロナ対策の融資としては、
①日本政策金融公庫と
②市区町村の商工課の借入を優先的におこなうのがいいでしょう」
と、西川さん。
①の公庫に関しては、すでに相談に行った人も多いかもしれない。今から申請してもGW明けの融資になる可能性が高いが、それでも(だからこそ)今すぐ動いたほうがいいという。
美容師さんの話を聞くと、今は、公庫の申請が殺到して担当者も大わらわで、そっけなく扱われたという話も聞く。
「資料が足りずに出戻りになっている人も多いと聞きます。これから行くなら、不足資料がないように準備をして相談に行くことが大事です」(西川さん)
この公庫の融資はコロナウィルスによる緊急融資なので、売り上げが下がった
という証明が必要になる。
そこで用意しなくてはならないのは、昨年12月から3月までの月次の売り上げ証明だ。これは、ポスレジから出るデータでOK。
さらに、4月1日から現在までの売り上げを出し、コロナがどれくらい影響しているのかを説明する必要がある。
最近1カ月(令和2年3月)の売上高が前年(平成31年3月)又は前々年(平30年3月)の同期と比較して5%以上減少している場合が対象。低金利又は実質無利子で融資が受けられる。
問題は、毎月業績の確認ができないサロン。月次で管理できておらず、今の時点で12月までのデータしかとれないようだと、コロナの影響を証明できないので、希望額を減額される可能性があるそうだ。
「根拠をもって必要な資金額をお願いすることが重要になります」と西川さん。
美容組合や税理士に相談しよう
もし美容組合に加入しているのであれば、組合に相談するのも良いだろう。
神奈川県美容組合の澤飯廣英理事長によると、「最近は融資のご相談が1日に7、8件あります」とのこと。
日本政策金融公庫の中には、生活衛生特別融資があり、美容業は17業種ある特別融資に含まれる。
「組合に相談していただければ、組合の推薦をつけて特別融資への申し込みを短時間で処理できます。融資金額はもちろんまちまちですが、いまは緊急手当として200〜500万程度の融資を受けているサロンが多いと感じます」(澤飯さん)
西川さんも、普段は新規の相談を歓迎しているのだが、
「この状況では、もともと自社の経営状態をよく知っている人(担当の税理士や美容組合)に相談するのが一番です。公庫に人が殺到している状況なので、申請の書き方を教えてくれる人のサポートがあったほうがいいでしょう。
また、現在は緊急対応としての期間です。まずは当面必要な資金を確保することに重点を置いてください。そこから先の前向きな融資は、少し落ち着いた後に事業計画を作成しながら融資の相談をするとよいと思います」(西川さん)
公庫に加えて考えたいのは、②市区町村の産業振興課の融資制度。ここに相談に行くと、金融機関を紹介してくれる。そこで借り入れをすると、保証協会の保証料を各市区町村が負担してくれるシステムだ。また、利息も約2年間補填してくれる。
「1000万円くらいまでの金額であれば②の市区町村の制度融資。3000万円までなら、①の日本政策金融公庫(国民生活事業)。それ以上だと、いくつか組み合わせを考えるのがいいでしょう」(西川さん)
ちなみに、北区の場合は融資限度額1,000万円、融資期間5年以内(据置1年以内)、利率1.9%以内、利子補給1年目1.9%(本人負担0%)2年目以降1.5%(本人負担0.4%以内)、信用保証料全額補助だという。