【vol.2】リモート美容師、前売りチケット、EC販売。いま、お客さまとどうつながる?(美容師が知っておきたい最新コロナ情報)
イラストレーション:カツヤマケイコ
ライターのさとゆみ(佐藤友美)です。連載1回目にたくさんのメッセージありがとうございました。現在は、営業継続にしても休業にしても、激しい痛みを伴う苦渋の決断が続いていることと思います。
引き続き、ここでは美容業界のみなさんたちの、すべての勇気ある決断を支持しあい、助け合えるような場を目指したいと思っています。
今回は、「いま、オンラインでお客さまとどうつながる?」をテーマに、サロンさんの取り組みを紹介していきます。
(情報は4月8日現在)
リモートワーク美容師はじめました
コロナの影響で、既存のお客さまと頻繁にお会いできなくなったという声を聞く。
取材では、YouTubeでの美容情報配信、インスタライブでの質問&回答など、いつも以上に顧客向けの配信に力を入れているという美容師さんが多かった。
なかでも興味深かったのは、「リモート美容師はじめました」と銘打ち、オンラインでのマンツーマンカウンセリングや、ヘアアドバイスをスタートしたサロンがあること。
「あっという間に6500円のリモートカウセリングに予約をもらいました」とご報告のあったOsaka Cutさんの取り組みを紹介する。
緊急事態宣言を受けて、Osaka Cutの都竹正義さんが顧客のために用意したメニューは以下の4つ。
①しつもんカウンセリング
②ブローアドバイス
③リモート前髪カット(遠隔で前髪カットの指導)
④セルフヘッドスパ(経路などの位置を確認して自身でのスパ体験をしてもらう)
料金は6,500円。
ホームページにアップして2時間で、予約システムリザービアを通して最初の予約があったそう。
「申し込んでくださったのは、僕のFacebookのLIVE配信を見てくださっていたお客さま。こんなにすぐに申し込みがあって、びっくりしました。カウンセリングをご希望とのことなので、カウンセリングを中心に、時間があればスタイリングアドバイスと経路のセルフヘッドスパをレクチャーさせていただこうと思っています」
(↑お客さまの許可を得て掲載させていただいています)
オンラインカウンセリングは、メッセンジャーかLINEかzoomか。相手の環境によって変えているとのこと。決済はpaypalか、事前振り込みか。これもお客さまと相談して決めていく予定だと都竹さん。
「今回のコロナの件で、美容師がお客さまにできることを改めて考え直すきっかけになりました。今まで表現すること、目の前のお客さまを喜ばせることに取り組んできましたが、これからはオンラインの先のたった1人でも喜んでもらえる気持ちに視点を変え、日々新しいサービスをつくっていきたいと思います。今回はあっという間に予約がきて、正直びっくりしましたが、今できることで頑張ります」
と、都竹さん。
都竹さんのお話を伺って興味深かったのは、最初に予約されたお客さまが、遠方で新規のお客さまだったこと。オンラインカウンセリングは、距離も時間も超えることができる。
筆者さとゆみも、普段お客さま向けのセミナーをよくするのだが、「行きつけの美容師さんにマンツーマンでアドバイスをもらえるメニューがあれば、カットやカラーと同じくらいの料金を払ってもいい」というお客さまのニーズをよく聞く。
外出を自粛され、美容院にいけない人も増えるであろう今後、このようなマンツーマンのオンラインアドバイスは、ますます増えていくかもしれない。
前売りチケット、店販のEC販売が注目を集める
3月12日にロックダウンしたフィリピンマニラの美容室NORA HAIR SALON MANILAを支えるために、東京のNORAがカットチケットを前売りする試みをスタートしたことが話題になった。
「当初は、既存のお客さまに『次回分のカットチケットなら、前払いで買ってもいいかな』と思っていただけるかなと考えていたのですが、意外だったのは、既存のお客さま以上に、新規のお客さまの購入が多いこと。おそらく7割くらいは新規のお客さまだと思います」(NORAプロモーションディレクター・阿形聡美さん)
↑NORAが使用しているのはbaseという手軽にECサイトを作れるサイト
現在、美容業界だけではなく、飲食業をはじめ他業種でも、お気に入りの店舗を買い支えようという動きがスタートしている。
「次に行ける時を楽しみに」という前売りチケットも、近くトレンドになるかもしれない。
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