「きれいをつくる美容室が、地球を汚していいはずがない」 柏の個人店がSUSTAINABLE SALON®︎認証を立ち上げた理由
お客さまが遠方からサロンにくるのはサスティナブルじゃない
やがてサロンの取り組みが少しずつ知られるようになり、全国各地からお客さまがきてくださるようになりました。とてもうれしいことですが、同時にネガティブな声が届いたんです。「遠方からサロンへの移動でCO2を排出しているじゃないか」と。一理あると思いました。
都道府県にいくつかサスティナブルなサロンがあれば、お客さまの移動コストや環境負荷を減らすことができます。とはいえ、これだけオーバーストアと言われている中で、僕がいたずらに店舗を増やしていくのも違うと考えました。
そこで、美容業界のサステナビリティ(持続可能性)を追求し普及させることを目的に、一般社団法人日本サステナブルサロン協会(JSSA)を設立。2021年7月から、人と環境に配慮したサロンのみが取得できるSUSTAINABLE SALON認証をスタートしました。
この認証を取ることができるのは「人体への配慮」「自然環境への配慮」「空間への配慮」「エネルギー資源への配慮」など、9つの基準を満たしたサロンのみです。
認証の価値を高めていくことで、美容業界を変えていきたいと本気で考えています。サスティナブルに関心があるお客さまが、SUSTAINABLE SALONを選ぶ流れをつくりたいのです。
サスティナブルサロンは経済合理性を持ち合わせている
サスティナブルなサロンは、美容師にも優しいサロンです。サロンには美容師の健康にマイナスの影響を与える物質があります。薬剤もそうですし、空間を漂う化学物質などありますが、その中で長時間働くことで体調不良になる美容師は少なくありません。
ある調査によると、美容師の平均勤続年数は約6年とされています。美容師をやめる原因の多くは健康を害したこと。このことは美容師さん自身が一番よく知っているのではないでしょうか。人体にも優しいサスティナブルなサロンでは、美容師さんの勤続年数が伸びる可能性が高いです。
ちなみに、環境先進国と言われているデンマークでも平均8年とされています。それだけ美容師さんは過酷な環境にいるわけです。
サスティナブルなサロンをつくることは重要だと思っているけれど、コストがかかるから二の足を踏んでいるオーナーさんもいるのではないでしょうか。個人的には、サスティナブルサロンは経済合理性にかなっていると思います。なぜなら、サスティナブルに関心のあるお客さまは、選べる美容室が限られているし、環境に負荷を与えない良いものに対して、きちんとした対価を払うことを惜しまない、意識の高い方が多いからです。コストがかかる分きちんと売り上げも上げることができるんです。
>本気でやれば、すぐにSUSTAINABLE SALON®︎をつくれる