第二回 Rougy 薫森連載コラム -薫森正義の“ハイセンス”はここから生まれる-
ヒントは時代背景に存在する“とある画家”-インスピレーションの元について-
ベースのインスピレーションは17世紀バロック時代の絵画です。その中でも特に、バロック絵画を代表するオランダの画家「レンブラント」や「フェルメール」、フランドル派の画家「ルーベンス」などからヒントを得ました。
バロック絵画はドラマチックな描写技法や豊かで深い色彩、光と闇の対比などのわかりやすい特徴があるので、表現方法として参考にすることが多いです。
軸が定まった後のアレンジが大事 -組み合わせるポイントについて-
「バロック」という用語はもともと侮蔑的に使用され始め、作品の強調表現があまりに度が過ぎていて品位に欠けるものという意味が含まれています。
なので、そのバランスを取るために、バロック時代の華やかさの中に退廃的なイメージを連想させる物を取り入れています。
具体的には、バロック時代のアンティーク家具がある空間。その中にブラックドレスに虚ろな表情で佇む女性。
それだけではただのクラシックなイメージフォトでしかありません。今回はその空間を“素敵な違和感”に作り上げるために、アクセサリーにチェーンやスタッズなどのパンクを想像させる小物を使ったり、ヘアスタイルをスモーキーでドライな質感のワイドなシルエットなボブにし、華やかな空間と逆の退廃的な要素を少し取り入れました。
第一回でも話していたように、軸となるテーマに対しての「素敵な違和感」を取り入れることで作品に新たな“厚み”がでることがわかりますね。
時代背景やアーティストなど、日々の情報収集を欠かさないことで今までにない作品をあなたも作り出すことができるはずです。
オリジナル年表(第一回目コラム「参考にするモノ年表」参照)を作成し自身の知識量を洗い出すことで、今の自分には「何が作れるのか」や「何が足りていないのか」を把握することも重要なのかもしれません。
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- プロフィール
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Rougy/Director店長
薫森 正義(しげもり まさよし)
ハイセンスな作品を次々と生み出すヘアデザイナー。お洒落なツボを抑えることが上手く、セミナーや撮影のオファーも多い。「ゆるモード」を得意とし、巧みな技術で幅広い客層から支持を得ている。
(文/薫森 正義)
(編集/QJナビ編集部)
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