高澤光彦さん。ヘアライター佐藤友美がみた”美容師列伝” 第14回「“プロ”な人」

「ヘアライター佐藤友美がみた 美容師列伝」。日本全国の美容師を取材してきたヘアライターの目線から、毎回「●●な人」を紹介し、その素顔に迫る新企画です。第14回めは「“プロ”な人」。PEEK-A-BOOの高澤光彦さんです。

 

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高澤さま

(イラストレーション:カツヤマケイコ)

 

アレンジなんかきかなくてもいい

 

仕事がら、いろんな美容師さんにカットをしていただきます。

だけど、(だけどと言っては何なのですが)、一流と言われる方に切ってもらえば切ってもらうほど、その「差異」というのは感じにくくなるといつも感じます。

もちろん、提案してくださったヘアスタイルに満足はしているのは大前提で、だけどやっぱり、120点と121点の差は、わかりにくい。

 

「不幸な家庭はみんなそれぞれ違うけれど、幸福な家庭はどれも似ている」

そんな格言があるけれど、そんな感じです。

みんなそれぞれにスーパー上手いのだけれど、もうレベルが高すぎて素人に差がわかるものじゃなくなっている。

私の一流美容師さんに対する感想は、だいたいこんな感じです。

 

でも、過去に2度だけ、本当に心の底からおったまげたカットがあって、そのうちの一度が高澤さんのカットでした。

 

何にびっくりしたかというと、まず、骨格が自分のものとは思えないくらいに綺麗に見える。私の頭の形って、こんなに綺麗でしたっけ? と思うくらい、後頭部がこんもりしてる。上げ底してるんじゃないかと思うほど。

 

そして、次にびっくりするのが、カットしてもらった翌朝。寝癖が全くついていない。ブローが不要。朝起きたときからサロン帰りの髪型になっている。

形状記憶合金? と思わされるくらいの、確度の高い再現性なわけです。

 

実は、拙著「女の運命は髪で変わる」(サンマーク出版)に「アレンジなんかきかなくていい。毎日同じように決まる髪型をひとつ手に入れれば十分だ」という文章を書きました。

これは高澤さんに切ってもらっていた時に感じたことです。高澤さんに「よく『アレンジがきく髪にしたい』という人がいるけれど、でも、世の中のほとんどの人は毎日違う髪にしたいなんて思ってないんじゃないかな」と言われたことにヒントを得て書いた部分でした。

「それよりも、誰が乾かしても、どんな状況で乾かしても、必ず(サロンでこの乾かしたときと同じように)この髪型になってしまう。ブレのない髪型の方が、ありがたいんじゃないかなあ」と高澤さんは続けました。

 

そう、まさに!!!

高澤さんのカットのすごさって、365日のうち、サロンにきた方の5日ではなく、それ以外の360日の、家で髪を乾かすときに感じる凄さ、なんだと思うんです。

 

>髪はアートか日常か

 

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