【PR】 ジェンダーにとらわれない、居心地のいいサロンを増やしたい−パンテーンが仕掛ける、『#PrideHair・サロン』プロジェクトとは?−
P&Gが展開するヘアケアブランド パンテーン。「あなたらしい髪の美しさを通じて、すべての人の前向きな一歩をサポートする」ことをブランド理念として掲げています。2020年9月、LGBTQ+の元就活生と共に、自分らしさを表現できる就職活動について考えた『#PrideHair 』プロジェクトを実施。この動画は SNSで瞬く間にシェアされ、再生回数は1週間で約2000万回を越え、多くの反響を呼びました。このプロジェクトを通して見えてきた課題をもとに、『#PrideHair・サロン』プロジェクトが今冬からスタート。LGBTQ+のみならず、個性や多様性を尊重するサロンを世の中に増やしていく取り組みです。
今回は、このプロジェクトに賛同していて、ご本人もLGBTQ+であることを公表している美容師、EIZOの宮島さんをインタビュー。美容師としてのこれまでの歩みや、カミングアウトをしようと思ったきっかけ、このプロジェクトに美容師が賛同する意義についてお話を伺いました。また、12月15・16日に行われた同プロジェクトに関するワークショップの内容もご紹介していきます。
自分が分からないから、カミングアウトもできない10代。
小学生の頃から自分のセクシュアリティに疑問を持っていました。
なんだか自分は他の人と違うみたいだ……。でもそのころは調べる術を持ち合わせていなかったから、どうすることもなく過ごしていました。同じ頃、雑誌で見た男性アイドルの髪型がすごくカッコ良くて「自分もマネしたい!」と思ったんです。でもメンズの髪型にしたいってどうやって伝えていいのかが分からなかった。だから小学生なのに自分で髪を切ってスタイリングしていました。
そんな原体験があったからなのか、進路を決める高校生の時。バンドをやっていたから音楽系の道に進むか悩んだのですが、手に職を付けたかったこと、新しいことに一から挑戦してみたかったこと、そして憧れの東京に絶対に行きたい! という気持ちから美容師の道に進むことに決めました。
専門学校に入学した最初の自己紹介では、自分のセクシュアリティをみんなの前で伝えました。
それまでは自分のこと……セクシュアリティも含めて、カミングアウトする・しないの問題ではなく、この先の自分がどうなるのかも見当がつかなかったから、何も言えなかった。でも、高校3年生の頃、携帯を手に入れて色々調べていくうちに、やっと自分のセクシュアリティやこれからどうしていけばいいかのヒントが見つかったんです。
カミングアウトをしようと思ったのは、仲良くなってから少しずつ話すより、早めに言っちゃった方が、みんなを混乱させず、自分の環境づくりができると考えたからです。美容系の学校だったこともあり、みんな「そうなんだー」というノリで受け入れてくれました。今働いている『EIZO』も、見学の時点でスタッフに自分のセクシュアリティを打ち明けましたが、それが面接に響くこともなく、無事入社し、現在に至ります。
当事者だからこそ、ひとりひとりの個性に寄り添いたい
自分がLGBTQ +の美容師であると公表したのは、実はこの夏のことなんです。それまでもお客さまには話していましたが、プロフィールに記載したのはここ半年ほどのこと。
別のことで先輩に相談している時に、「自分のことをもっと出してみたら?」と言われたことがきっかけです。ちょうど、誰かの役に立ちたい、自分には何ができるかを考えていた時期でした。同じ悩みを持つ人たちの力になれればと公表したんです。
公表したからと言って、ものすごく大きな変化があったわけじゃないのですが、当事者の方の御来店が少しずつ増えています。セクシュアリティで悩んでいる方も、日常生活はみなさん様々。僕はあまり隠さずに生活していますが、中には会社や周りの人に自分のセクシュアリティを絶対に公表しない、と決めている方もいる。
でも自分のやりたいヘアスタイルを求めて、サロンに行っても例えば「女の子なのに、そんな髪型にしてもいいの?」と言われてしまってガッカリされるケースも少なくない。そうした、サロンにいい印象を持っていなかったお客さまに来ていただいて、髪型も含めていろいろなことをお話させてもらうと公表してよかったと思います。
当事者のご家族や友人など、周りの方も来てもらえると嬉しいですね。もし近しい人にカミングアウトされた時に、驚いてしまう方もまだいるはず。そんな時、髪を切りながら、気軽にいろんな質問をしてもらえるようになりたい。
少しずつかもしれませんが、自分から話せることは伝えていきたいです。
知らないだけ、でも知ってた方が絶対にいい。
『#PrideHair』プロジェクトのCMを最初にみた時、単純にいい! と思いました。昔の僕みたいにセクシュアリティについて漠然とした疑問を持っている子ども達が情報として得られる。本来なら隠しておきたい部分ですが、そこが一番知りたいところなんです。
#Pride Hairプロジェクトに賛同することによって、セクシュアリティを問わず、お客さまの幅が広がるのではないかと考えています。そうすると美容師としての感性とクリエイティブの幅も広がり、そこからさらにいろんなことを知ることができるようになると思うんですよね。
先ほどお話ししたガッカリされてしまった美容師さんも、お客さまを傷つけたいわけじゃないと思います。ただ知らないだけなんです。それに知ったからと言って、特別扱いをした方がいいというわけでもないんです。他のお客さまと分け隔てなく、サービスを提供することが大事だと思います。
ただ言葉の選び方が変わってくるだけ。例えば、見た目で判断して雑誌を持っていくのではなく、「読みたい雑誌はありますか?」と聞く。「彼氏 or 彼女はいますか?」と聞くのではなく、「パートナーはいますか?」と聞く。
……でもこれってセクシュアリティ云々ではなく、今の時代では当たり前のこと。情報のアップデートをしていくことで、気の配り方が変わるんです。
美容師はその人の個性を活かす仕事。美容業界は先陣を切ってLGBTQ+フレンドリーの方向へ進んでいけば、業界としても、もっといい方向に向かっていくと思います。美容業界の方に興味を持ってもらえるために、情報を広めて、協力していけたらと思っています。
プロフィール
EIZO
スタイリスト/宮島瑠
長野県出身。住田美容専門学校を卒業後、第一志望であるEIZOに入社。2016年4月にスタイリストデビュー。カット、特にショートヘアに定評がある。2020年の夏にLGBTQ +を公表。サロンからLGBTQ +の理解が広まる活動をスタートした。
>LGBTQ+当事者と、サロンがもっとマッチしやすい世の中に
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