目指す「美容業界のインフラ整備」とは!? 創業4年で破竹の勢いで出店を続けるONE’sの野望とその勢いの理由

 

美容師の特性を活かしたセカンドキャリアをたくさん用意したい

 

―創業4年目で成功の裏には、こういった施策があったということなんですね。

 

 

阿部 そのほかの新しい取り組みで言うと、バックオフィスでは日報アプリというのを開発しているんです。今まで日報というと、PCを開いて入力しなければならないものがほとんどでしたが、スマホのアプリ上で入力できるようにするものです。

美容師のキャリアや評価というのは、どうしても売り上げ至上主義になりがちですが、人間的な評価基準があってもいい。僕たちはこうした項目もレーダーチャート化して、日報と紐づけながら目に見えるものにしたいんです。

そしてこれが、ゆくゆくは美容師さんのセカンドキャリアに生かせるんじゃないかと考えているんです。

レーダーチャートの中に尖った項目があれば、それはその人の“得意”ということになりますよね。この得意なことを生かして、その美容師の次の夢を叶えられる体制を社内で作り上げていきたいんです。美容師さんのセカンドキャリアなのでそのコミュニケーション能力を活かして、まずは接客業になるかなとは考えていますが、保育園なんかもいいですよね。

 

吉田 美容業界だけで終わるつもりはない、という話もよくしますね。

 

 

鈴木 そう! 美容師のセカンドキャリア以外にもやりたいことはあります。他のサロン経営者の方の話を聞いて共感したのですが、タオルのクリーニングを事業としてやってみたいんです。障害者雇用にもつながるし、社会的に意義があるかな、と。

 

―業界貢献のその先に、関わる人がみんな幸せになるような事業を展開したいということなんですね。

 

 

吉田 業界貢献でいうと、美容師って儲からないようなイメージを持たれることが多いですが、決してそんなことはないと僕は考えているんです。年功序列でもないし、腕さえあればスポーツ選手と同じでどんどん活躍することができる。実際に、若手で活躍しているスタッフは、同年代の会社員の方より収入は多いはずです。その上で、阿部が話したように、経営者には外部産業に頼っている部分の支出は抑えて、給与を上げる義務があります。そして、スタッフが40代、50代になった時のことも考えなければいけなくて、その時のために、美容業界だけでないインフラを整備――スタッフのセカンドキャリアのための引き出しをたくさん持っておきたいんです。

 

鈴木 やりたいことはたくさんあるんですよね。なので、僕はこれから1年間は、発言力を高められるように努力をしたいと考えています。美容業界以外のことをやるにしても、まずは美容師として有名になることが近道になると思うので!

 

―今日はありがとうございました!

 

 

<プロフィール>

 

 

ONE’sグループ

代表/阿部清貴

神奈川県出身。山野美容専門学校卒業後、老舗美容室に勤務。フリーランスを経て2018年に株式会社ONE’sを創業。企画開発やブランディングを統括しながら、美容業界に止まらない取り組みを行う。

 

 

ONE’sグループ

代表/鈴木佳人

群馬県出身。山野美容専門学校を卒業後、老舗美容室に勤務。2018年にONE’s創業メンバーへ。集客や人事、アイラッシュサロンとドライヘッドスパ事業を統括している。

 

 

 

ONE’sグループ

代表/吉田圭人

茨城県出身。茨城理容美容専門学校卒業後、老舗美容室に勤務。2018年にONE’s創業メンバーへ。教育と海外事業開発を統括している。

 

 

(文/須川奈津江 撮影/松林真幸)

 

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