高木琢也さんに聞く! 消費の時代にOCEAN TOKYOが流行で終わらない理由を徹底検証。高木琢也編【連載企画Vol.4後編】
大流行を収めたものは必ず早々に衰退するとされていますが、その定説を超えて、今年8年目を迎えた『OCEAN TOKYO』。今もなお熱狂的な顧客を獲得し続けています。なぜそこまで支持されるのか。その理由を紐解く連載企画。
第4回はついに高木琢也さんが登場。前半はスタッフや幹部陣のまとめ方やご自身の役割について伺いました。後半は、美容師の枠を超えて活躍する高木さんがそれでもなおサロンワークを続ける理由、そして、選ばれる美容師であり続けるための極意について伺います。
OCEAN TOKYOが流行で終わらない検証5:
OCEAN TOKYOが支持され続ける理由は、常に美容師の枠を越えて進化し続ける高木さんがOCEAN TOKYOの新しいシーンを創り続けているから。そして様々な活躍をしてなお、選ばれる美容師でい続けようとしているからではないか?
髪を切るだけで15分後に人生が変わる。それが単純明快で楽しい
――前編でお伺いした内容もそうですが、美容師という枠組みを飛び越えて活躍している高木さんが、サロンワークも絶対に続けている理由はなんでしょうか?
俺はお客さまに生かされてきたと思っているし、今の俺がいるのもお客さまのおかげです。なかなか全員に恩返しはできないけれど、求められている限りサロンワークを辞めることは絶対にありません。
それに、例えば、こういった記事は取材を受けてから公開されるまで、1〜2カ月はかかりますし、商品開発は1年越し。反響が届くのはさらにもう半年後なんですよ。
でも、髪の毛って、15分後には切り終わっているんです。ものすごく短い時間で変身して、胸を張って外に出ることができる。かっこいい髪型になったら人生が変わるかもしれない。ものすごく単純明快だから、髪を切っているときは無心になれるし、お客さまに喜んでもらうことが一番うれしいんです。
俺の中では、お客さまはフォロワーというよりサポーターだと考えていて、サポーターが応援してくれるから頑張れるし、続けられる。
OCEAN TOKYOのスタッフにも、そういうサポーターに囲まれて欲しいと常々思っています。
――もうすぐ新年度を迎えようとしていますが、昨年はどんな年でしたか? また、今年の展望を教えてください。
人材育成の話でいうと、去年は三科がとにかく頑張ってて、成長が著しい1年でしたね。幹部陣もそうだけど、OCEAN TOKYOのスタッフって、猛獣ばかりの動物園みたいなものだし(笑)、俺からもいろいろ言われるし、彼は相当苦労したと思います。
三科は、商品開発は得意なんだけど、人をまとめるということはあまり得意な方ではなかった。だけど、「できるように努力しよう」という風に毎週話してました。
俺もシリーズ1回目のインタビューは読ませてもらっていて、ああいう場で話す三科はすごくスマートでしょ? その裏で本を読んだり勉強したりものすごく試行錯誤があるんです。とにかく成長した1年だと思います。
サロンとしては、コロナ禍というのもあり、大々的に店舗展開をするというよりは、来るべき日に向けての潜伏期間という面が強かったかもしれませんね。プロダクトもその一部で、移動が感染リスクになり直接サロンに来られないお客さまに何ができるかを考えました。髪は切れないけれど、OCEAN TOKYOのプロダクトで肌をきれいにたらもっとモテる。お風呂時間はハッピーな香りで楽しんで欲しい……というように、髪以外でかっこよくなる準備をしてもらっていたような1年間でした。
今年は逆に、新規出店をしていきたい。変な話、俺、店を一つくらい潰そうかなって考えたんですよ。本当は会社の調子はいいんだけど、「あれ? OCEAN TOKYOやばくない?」と世間に思わせてから快進撃のように出店した方が盛り上がるな、って。
でもお店作るのはすごい大変だから思いとどまりましたが(笑)。
>超特化型美容師がウケる時代の今、飽きられるかもしれない危うさもある
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