七五三掛慎二さんに聞く! 消費の時代にOCEAN TOKYOが流行で終わらない理由を徹底検証。技術編【連載企画Vol.2】
スタッフの好奇心を煽る仕組みで、技術力向上と美容師としての楽しさを実現する
具体的な技術への取り組みでいうと、“教えてもらう”というよりはうまい人の技術を“見る”ことが大事だと考えています。技術って、1回教えてもらっただけでは習得できませんよね。それより、毎日のリアルなサロンワークの中でうまい人の技術を間近で見ること、その技術に近づいていくイメージを大事にしています。なので、おおもとの技術は一緒だとしても、店舗によって細かな違いも出ています。うまい人が店舗にいるから、全員がうまくなる。そういう仕組みになっています。
そして、うちには細かいマニュアルというはなくて、ベーシックが中心です。基礎となる技術を徹底的に学んだら、その後は自分で考えたやりかたで切っていく。なぜかというと、教えられたものしかできないってつまらないですし、マニュアルがあるとマニュアルがいわゆる“正解“になってしまって、それを超えるものは作り出せないからです。
美容師の楽しさや喜びって、自分が練習してできるようになった技術で作品を作って、その作品を見たお客さまが「自分もこんなかっこいいヘアスタイルにしたい」と通ってくれて、その人を満足してもらうことに尽きると思っています。だから、僕たち幹部は、スタッフに「自分で好きなスタイルを作りたい」と思ってもらえるような好奇心を煽るような仕組み作りをするようにしています。
今、話していて思ったのですが、OCEAN TOKYOの考え方ってすごく柔軟なんです。柔軟だからこそ進化するし、進化するから飽きられない。だから、僕たち幹部陣の仕事は、スタッフが勝手に進化する仕組みを作ることなのかもしれません。