接客は掛け算。0点はみんなゼロになるから1点でも取れ!「NOBU’S KITCHEN」Vol.6ゲストSHEA. 代表 坂狩トモタカ【後編】
美容師はお客さまの人生に関わる仕事です。
―お客さまと関わってておもしろいこととかうれしいことはありますか?
NOBU:この間まで子どもだと思ってた子が、急に美人になってたりするのは驚く。あとは結婚できな~い!って嘆いてた子が結婚できたり、就職がうまくいったりっていう話を聞くのは単純に嬉しい。
坂狩:うんうん。
本当人生に寄り添ってますよね。僕も20代から40代くらいまで幅広く通ってもらっていて、一家全員を担当させてもらってる家族もいます。家族事情を誰よりも知ってるの僕なんですよ(笑)。もはや半分息子みたいな扱いになってますね。
お客さまって友だちよりも会ってる回数が多いから、なんだか不思議な関係ですよね。
SHEA.を立ち上げることになったとき、ものすごく不安だったんです。いくら長年通ってくださってる、みなさんでも絶対にきてくれるか分からなかったですしね。
どうなることかと思っていましたが、スタッフも頑張ってくれたし、お客さまもほとんどそのままきていただけて。本当ありがたかったですね。
NOBU:お客さまと関わってると不思議なこと起こらない? 今日暇だわ~と思ってるときに、ふとお客さまがきてくれたり。
坂狩:それあるあるですよね。
「最近〇〇さん何してるんだろ~」って思ってたら予約入ったり。あと切りたい気分なのかが分かります。
NOBU:お客さまのしたいカラーにハマることもよくある。
お客さまと共鳴したらお客さまがついている証拠だと思ってる。
坂狩:僕、カウンセリングの長い美容師は、お客さまのやりたいことを感じられてないと思ってて。お客さまのことを考えてれば、やりたいことが分かるはず。
NOBU:俺もカウンセリング5秒。カットしながらカラーのこと考えてる。多分意識はしてないけど、普段からイメトレしてるんだろうね。
正直、性格が噛み合わないな~っていうお客さまでも大丈夫。
―噛み合わないっていうのは?
NOBU:合わないっていうか、おもろいお客さんめちゃくちゃ多くて。大阪時代なんか、急にセット面で、喫茶店からデリバリーしたご飯を食べはじめる人とか普通にいた。結構パンチ効いてる。
坂狩:僕は投げキッスされたことありますねぇ。
―坂狩さん、それどうするんですか?
坂狩:淡々と髪を切ることに集中するんです(笑)。
NOBU:おもろいお客さまはお店の中をおもろい雰囲気にしてくれるから、後輩教育にはもってこいなんですよね。ありがたい存在なんですよ。お客さまには育てられっぱなしですね。