木村直人とNOBUが会社に所属しながら自由に見えるワケ「NOBU’S KITCHEN」Vol.2ゲストair木村直人さん【前編】
ふたりは独立してないのになんで自由に働けているの?
−今日の対談のお題なんですが、おふたりって大きなお店に属しながら、外の活動を自由にしながら働いている印象がありまして、その姿って今までの美容師像からすると珍しいし、若手美容師からすると憧れの働き方なのでは…!? と思い、その辺りを伺いたいと思いまして。
木村:僕の場合、10年以上会社に所属していたり、さまざまな分野で働いている方とお話しさせていただく機会が多いので、今自分の働いている仕事の領域、美容師として稼げる領域の狭さが苦しいと感じていて。
美容師の仕事であるサロンワークやセミナーなどを頑張ってもお金を稼ぐという点では、限界を感じる。それ以外の分野で仕事の領域を広げていくことで、美容師でも億単位稼げる仕事ができると思うんです。それをある瞬間に会社の上層部に打ち明けたんです。
そのときに、自分も含めて周りを見ていて「分かり合うことが足りない」と感じたんです。もっと互いの考えをすり合わせをする必要があったんだなと。僕はちゃんと結果出したし、上層部は努力してきたことをきちんと評価してくれた。働き方に対する理解も示してくれました。
自由に見えるかもしれませんが、自分で切り開いたらこのような働き方のスタンスになった。今の働き方のスタンスは結果論に過ぎないんです。
NOBU:僕も自由に見えるかもしれないけど、自由にするために道を切り開いて行った感じなんですよね。
大阪時代の先輩を超えるために、アパレルがたくさん入ってるビル中を駆け回って、読者モデルに声かけまくってたんです。それで売り上げあげたら、サロンスタッフたちはやり方が気に入らなかったのか、めっちゃ怒られた…けど、めげなかった。
別会社にプロデューサーとして入り、めげない頑張りで1番の指名売り上げを達成したり、東京出てきて、赤文字系媒体に営業電話かけまくったり、おしゃPブーム(※1)時代にヘアメイクの仕事でドサ回りしていたこともある。最近では、インスタグラムをやりはじめたり……。
全部根底に「目立ちたい」っていうモチベーションがあって今までやってきているんです。自分を確立するためにこれまでやってきたことが、今に繋がってるんじゃないかなって思いますね。
(※1)おしゃPブーム…女性雑誌「JJ」が提唱した「おしゃれプロデューサーズ」の略。「日本の『カワイイ』を世の中に発信し続けるGIRLSクリエイター集団」のこと。
−改めて、お二人ともなぜ会社に所属しているんですか?
木村:そもそも会社にはすごく感謝をしているし、先ほども言った通り、自分の苦しさを伝えて理解してもらえなかったら去っていたかもしれませんが、意見を聞いてくれたから、いまもいる。
自分の仕事内容をジャッジメントしたとき、独立して自分のやりたいリソースを削がれてパフォーマンスが低下するなら、残ったほうがいいと思いました。
それにその環境で自分の仕事をやり遂げることが大事だと思うんですよね。自由に働く。ということを履き違えてはダメ。いる環境で掘り下げたからこそ、自由がある。
僕はその掘り下げる作業に挑戦し続けている感じ。本気で辞める気になったら、辞めようかなーって思っているし。
NOBU:僕は経営には興味ないし、槙野(※ALBUMを運営する、オニカムの社長)と経営、IT、スタッフ教育のこととか話をしていることがすごく勉強になってる。
あとはいま、美容業界全体を俯瞰で見ていこうかな、と思っているし、俺が切り開いた道とかを後輩に教えていきたいんですよね。
前編なのに、もはや締めのような話ですが、後編も続きます……!
後編は効率的な仕事や、美容師としてのゴールの話など、深みのある対談。お楽しみに!