トップを走りながらもなお、ストイックに売上を追い続けられる理由「NOBU’S KITCHEN」Vol.17ゲストairディレクター金丸佳右さん【後編】
毎回、NOBUさんが気になる人をゲストにお呼びし、NOBUさんの自宅(!?)でNOBUさんの手料理を食べながらざっくばらんに美容業界について語り明かしていただく「NOBU’S KITCHEN」。17回目は、airのディレクター・金丸佳右さんにお越しいただきました。
前半は筋肉の話で盛り上がりましたが、後半は売上を追い続けるにあたってのお二人の心持ちなどについて話していただきます。
※本文中の敬称は省略しています。
「お客さんはなんてまっすぐなんだろう」と気づいた瞬間サロンワークにやりがいを感じた
ーー美容師としてトップを走りながら、常に売上にこだわり続けているのがお二人の共通点だと思うんですが、売上を追求しはじめてすんなり伸びていきましたか?
金丸:僕は、売上があがったのってヘアメイクからサロンワークに気持ちを切り替えた瞬間なんですよ。それまではヘアメイクの仕事がしたくて他のことは考えられなかったから、正直、目の前のお客さんに対して真摯じゃなかった。それでも雑誌に自分の手掛けたヘアメイクがどーんと載ると新規のお客さんが何百人と来るんだけど、ぜんぜん気持ちが入っていなかっし、上から目線で接客していたから、たぶん95%は失客していたと思う(笑)。
金丸:これではダメだということになって、キム(air執行役員兼嗣ディレクターの木村直人さん)とも話して、ちゃんと会社のためにサロンワークをやろう、ということになったの。そこからお客さんに集中しはじめたら、ありがたいことに最初の1年で倍以上の売上になったんです。
それで思ったのは、「お客さんって、なんて真っ直ぐなんだろう」ってこと。自分のことを信頼してくれて、一緒にどんなヘアスタイルが良いか考えて、それを提供したらすごく喜んでくれる。お客さんを担当できることってすっごく幸せでやりがいがあることなんだって。
ーー後輩たちもガンガン売上を上げてくる中で、焦りや悔しい思いをしたことってありますか?
金丸:上がってきてるかもしれないけど、まだまだ敵じゃねえな〜! まだまだ俺との間には差がありすぎますよ(笑)。
まあ、それは冗談ですが、自分の時間と考えと体力のすべてを注ぎ込んでやっているから、人より売上結果出さないとだし、足踏みはしていられない。それくらいの気持ちでやらないと上にはいけないぞって、うちの店長陣にも話していますよ。
NOBU:その気持ちわかるな〜。やりすぎると「バケモン」とか言われるから、ちょっと速度をゆるめてみるんだけど、それでも後輩が上がってくる気配がないから、「いったいどこまで待っていればいいわけ?」ってなっちゃう。黙って待っていたらお店が回らなくなってしまいますから。
ちょっと話は逸れますが、この前、「新人が練習をせずに帰ってしまうんですが、どうしたらいいですか」って、ある美容師さんから相談されたことがあって。新人が練習しないとか動かないとかって、よくある話だけど、それで悩んでいるという上の人は、「どれだけ自分の背中を見せたり、対応をしていますか?」って聞きたい。
美容室って、やる気がある美容師は誰からも何も言われなくても自分からどんどん売上を伸ばすために努力する。けど、それができない人には、何か一つでもやらせることができたら会社のためになるわけじゃないですか。それのために少しでもリソースを割いたのか、考えてみてほしい。自分は何もせずに人が変わるなんてことはあるはずないんだから。
だから俺も、やる気がないヤツって嫌いだから本当は放っておきたい気持ちを堪えて、朝礼の時とかは自分から後輩のスタッフに「おはよう」って声かけるようにしてますよ。だだそれだけのことで「NOBUさんがあいさつしてくれた」ってやる気を出すことができるんですもん。頑張れない人に何か一つでもやってもらうには、そのくらいの小さな気遣いからなんですよ。
>人に教えを請うのは嫌! そんな二人が今、他の美容師の技術を見てみたいと思った理由とは?